マッハ9.8の飛行に成功 NASA無人実験機
2004年 11月 18日
新型ジェットエンジンを載せた米航空宇宙局(NASA)の無人実験機X43Aが16日、吸気型エンジン搭載機としては史上初めて、マッハ9.8(音速の9.8倍)の速度での飛行に成功した。今年3月に達成した自己記録を大幅に塗り替えた。
B52爆撃機で上空1万2000メートルまで運ばれたX43A(全長3.6メートル)は、分離後、小型ロケットで3万3000メートルまで上昇。新型のスクラムジェットエンジンに点火し、マッハ9.8の速度(時速約1万1000キロ)で10秒間ほど飛行した。
同エンジンは、吸い込んだ大気に含まれる酸素で燃料の水素を燃やす。航空機に使えば、現在の旅客機で約5時間かかる米国横断が20分に短縮されるという。
一連の実験の最後となる今回の成果に、NASAのオキーフ長官は「商業飛行の技術を進歩させ、宇宙探査計画を前進させるもの」と話した。
(2004/11/18 10:18)