「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

子供を救え:児童虐待防止法施行から4年/1 受け継がれた「しつけ」 /茨城

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 ◇「悪いことをするとお父さんにたたかれる」

 <被告人は父から殴るけるの暴力を受けて成長し、ある程度の暴力で子供を教育することを正しいと考えるようになった>

 今年6月、水戸地裁201号法廷。検察側の冒頭陳述は、父親から息子へ、その息子から我が子へと受け継がれた「虐待の連鎖」が、事件の背景にあると指摘した。当時3歳の二男に対する傷害罪で起訴された父親とその妻も、法廷でそれを裏付ける証言をした。

「強くなってほしかった」(被告)

「しつけの度が過ぎただけ」(被告の妻)

 虐待の矛先は、まず6歳だった長男に向けられていた。

 冬の夜、市営住宅の一室から放り出された長男が泣いて許しをこう姿が、何度か目撃されている。

「入れて下さい。入れて下さい」

 木の棒で窓ガラスをたたきながら泣き叫ぶ男児の姿に、近所の主婦は、はっきりと虐待の疑いを感じ取った。「一緒にいてあげようか?」と声を掛けてみたが、男児は強く首を振った。

「一人で大丈夫だから」 “被害者”に断られてしまえば、他人がそれ以上できることはない。夜ごと繰り返される騒動に、近所の人が注意しても、両親は「しつけだから」と受け入れなかった。

 捜査にかかわった警察官は、暗い面持ちで言う。

「暴力を受けて育った父親が息子を虐待したように、兄弟が大きくなった時、虐待を繰り返さないか心配だ」

   ■  ■

 県南地域にある養護学校教諭が、小学5年の男児に対する父親の虐待に気付いたのは昨年2月のことだった。シャツを脱ぐと、全身に無数の打撲痕。「どうした?」と聞くと、男児は「見るな」と強い調子で抵抗した。少し落ち着かせると、男児は「悪いことをすると、お父さんにたたかれる」ことを明かした。

 「自分が悪いから暴力を受けるのだと、信じ込んでしまっている」。直感した教諭は、学校を通じて児童相談所に連絡した。

 後の公判で、父親の行為の数々が明らかになった。

 目の前で殺虫剤を噴射して火をつける。金属のハンガーで殴る……。拷問のような虐待が、傷害容疑で逮捕されるまで続いた。学校から通報を受けていた児相は、「父親に会うと『反省している』とうなだれたので、虐待防止の指導をして、様子を見ていた」と歯切れが悪い。

 男児は今、福祉施設に保護されている。虐待を受けていたことを自覚し始めたのか、執行猶予付き判決を受けた父親の面会を拒み続けている。

   ■  ■

 家庭という名の“密室”で繰り返される児童虐待。「しつけ」にすり替えられた暴力によって、子供たちの心と体に深い傷が刻み込まれていく。児童虐待防止法施行から間もなく4年。行政が、地域が何をすべきか。現状と課題を探った。=つづく

毎日新聞 2004年11月19日
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by miya-neta | 2004-11-20 22:22 | 社 会