「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

当世マタニティー事情:/下 骨盤ケア、葉酸…現代のお守り

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 「人間、腰が要。安産には骨盤ケアです」。妊娠9カ月の洋子さん(30=仮名、横浜市緑区)は足しげく整骨院へ通う。「私の腰がゆがんでいたら赤ちゃんが窮屈だし、出て来にくいだろうから」

 いわゆる健康マニア。数年前から「骨盤ダイエット」に励む。骨盤のゆがみを正すことで体形が整い、血流も促されるという「骨盤信仰」に、妊娠が拍車をかけた。自宅でも朝晩、「骨盤矯正体操」を欠かさない。

 赤ちゃんは誕生時、骨盤の中でぐるぐる回る(回旋)。「骨盤がゆがんでいると回旋異常を起こし、難産になりやすい」と、京都大学医療技術短期大学部講師で助産師の渡部信子さんも指摘する。

 渡部さんによると、妊娠4週前後から分泌されるリラキシンというホルモンが、出産に備えて骨盤を緩める。この緩みはゆがみに直結しやすく、腰痛に苦しみ続ける女性も少なくないという。

 これを防ぐため、渡部さんは産前産後の骨盤を支えるベルトを考案した。さらしやゴムチューブでも代用できるが「大切なのは腰の下部を締めること。腹部を圧迫すると骨盤底を開き、逆効果です」。

 ダイエットブームで、骨盤ケアに励む妊婦が増えたことは喜ばしいと、渡部さん。しかし、中には知識がないまま施術する整体師もおり、注意が必要だ。渡部さんは京都市で「母子整体研究会」(電話075・213・5704)を主宰し、助産師に整体法を指導する。

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 昨今のサプリメントブームも、お産に影響している。全国の薬局でビタミンBの一種、「葉酸」の品切れが続く。02年度から母子手帳に、葉酸の摂取を勧める項目が追加され、妊婦の“お守り”と化した。

 「葉酸さえ取っていれば安産が保証されるものではありません。あくまでも、バランスの取れた食事や規則正しい生活が基本」と、日本サプリメント協会の後藤典子代表は懸念する。

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 スポーツインストラクターの由美さん(38=仮名)は昨年、インドの伝統医学「アーユルベーダ」の専門店、「ビューティーライフ研究所」(東京都江戸川区、電話03・3674・3568)を訪ねた。「2人目」のために不妊治療を続けたが、効果なし。「西洋医学とは別の働き掛けを、体が求めている気がしたんです」と振り返る。

 オイルマッサージなどを受け、ほどなく妊娠し、現在8カ月。「仕事と育児で張りつめていた心身が、マッサージで溶けていくようでした。赤ちゃんはその状態を待っていたのかも」と話す。

 同研究所の高橋佳璃奈さんは介護福祉士や健康心理士の資格を持ち、心身の悩みも聞いているが、最近目立つのは無月経や不妊の増加だ。「学校や職場で、男性と同等の成績を求められる。無意識に、女性であることを否定しているのかもしれません」と推測する。

 妊娠・出産は個人的な営みだ。しかし、社会状況を映し出す鏡でもある。「女性が身ごもりやすい社会になってほしい」。高橋さんはそう願っている。【斉藤希史子、写真も】

毎日新聞 2004年11月27日 東京朝刊
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by miya-neta | 2004-11-27 19:06 | 女 性