「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

社説2 ウクライナの一大政治危機(11/27)

NIKKEI NET:社説・春秋 ニュース


 ウクライナが深刻な政治危機に陥っている。大統領選挙がこじれ、立候補したヤヌコビッチ(現首相)、ユーシェンコ両氏の陣営それぞれが勝利を主張して譲らない。

 だが、激しく対立しているのはウクライナ市民同士だけではない。米国・欧州連合(EU)諸国とロシアが選挙結果についてまったく異なる見解を示している。かつての東西冷戦が再現するとは思われないが、ロシアと西側諸国との関係は今後、相当ぎくしゃくするだろう。

 米、EU諸国など西側諸国は今回の選挙では不正が横行したと指摘、異例ともいえる激しい調子でウクライナ当局を批判している。

 一方、ロシアのプーチン大統領は正式結果発表前に早々とヤヌコビッチ氏に当選お祝いの電話を入れ、ロシア下院は、ウクライナの一部の過激な反政府勢力が非合法に権力を奪取しようとしていると批判し、「強い懸念」を表明した。

 プーチン大統領はヤヌコビッチ氏に肩入れしてきた。先月から2度キエフを訪問、また同氏をモスクワに招き、緊密な関係を演出した。ユーシェンコ氏が親米欧路線を打ち出しているのに対し、ヤヌコビッチ氏がロシアとの関係をより優先しているからだろう。

 ロシアと西側諸国はウクライナを自らの勢力圏に引き入れようと綱引きを演じているようである。

 事態の展開は予断を許さない。中央選管はヤヌコビッチ氏の当選を発表したが、最高裁はまだ最終確定していないとの判断を示した。ユーシェンコ氏が呼び掛けた全国ストはあまり広がりを見せていないようであり、当初の熱気がどこまで続くか不透明だ。

 いずれにせよ、流血の事態は避けなければならない。しかし、不正選挙を放置してよいはずはない。当局はまず不正の実態を検証する必要がある。その上で両陣営は選挙のやり直しも念頭に話し合いによる打開の道を探ってほしい。

 ウクライナ外交は、対ロシア関係と対西側関係のバランスを取る形で進められてきた。地政学的に考えると、誰が大統領に就任しても、程度の差はあれ、その外交のあり方は基本的には変わらないだろう。
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by miya-neta | 2004-11-27 22:42 | 国 際