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「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

コエンザイムQ10:化粧品への配合解禁、開発ヒートアップ

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 ◇肌のしわが減り、疲れにくくなる 「100年に一度の素材」ともいわれ

 「肌のしわが減り、張りが出る」「疲れにくくなる」--。こんなうたい文句で、「コエンザイムQ10(キューテン)」(CoQ10)と呼ばれる成分を配合した商品の発売が相次いでいる。効果の多様さから「100年に一度の素材」とも言われ、サプリメント(栄養補助食品)は品薄状態。10月には化粧品への配合が解禁され、関連商品の開発はさらにヒートアップしそうだ。【清水優子、写真も】

 ◇好調な売れ行き--脂質の酸化を防ぐ効果が

 CoQ10は、人間の体内にもともとある、エネルギーを作り出す酵素を助ける「補酵素」の一種。老化の原因とされる脂質の酸化を防ぐほか、サプリメントで飲めば疲れにくいとされる。しかし、濃度は20代をピークに減り始め、40代で30%、80代で50%以上が失われる。

 欧米では約10年前から話題に。98年、世界で初めてCoQ10配合クリームを発売したバイアスドルフ社(ドイツ)が行った実験では、50歳の女性の目尻に8週間、クリームを塗ったところ、シワの深さが27%改善された。同社は「肌の水分やコラーゲンと深い関係があるヒアルロン酸の合成を促す効果を確認した」と報告している。

 CoQ10が特に多いのが心臓や腎臓など。日本では74年、厚生省(当時)がうっ血性心不全の薬に認可し、01年にはサプリメントなど食品も解禁。今年10月には化粧品の成分に認めた。

 ドラッグストア「ヘルスケアストアセイジョー薬局」(東京都世田谷区)では、CoQ10配合のサプリメントの入荷待ちが続く。沖山貴仁店長(30)は「10月予約分の入荷が12月」と関心の高さに驚く。

 資生堂薬品(同港区)は、サプリメントの今年度の売上高目標を60億円から80億円、約200万個へ上方修正した。10月下旬発売のクリームは50万個(25億円)と予測。10月中旬、ボディー用乳液を発売したニベア花王(同中央区)も「女性を中心に堅調な売れ行き」(同社マーケティング部)と言う。

 実は、量産に成功したのは日本の4社のみ。昨年の世界の需要約150トンのうち、約65%を供給したカネカ(大阪市)は8月、生産能力をほぼ倍増したが、「引き合いの半分しか応えられない」(同社広報室)状態だ。

 東京女子医科大付属青山女性医療研究所クリニック(東京都港区)は今年2月、肌のトラブルを抱えた人らにCoQ10配合の美容クリームの販売を始めた。1本(30グラム)8000円で、保険は適用されない。化粧品の配合基準は上限0・03%だが、処方薬のため含有率が0・25%と高めだ。自らも愛用者という美容医療科の大木理香医師(37)は「CoQ10の減少は加齢だけでなく、生活環境やストレス、疲れなども絡むので生活スタイルにも気をつけて」と話す。

 「100年に一度の素材。疲れや二日酔い、風邪予防などさまざまな効果が期待できる」。正しい普及を目指すNPO法人「日本コエンザイムQ協会」理事長で、東京工科大(同八王子市)の山本順寛(よりひろ)教授(51)=生物有機化学=はCoQ10の効果に期待する。

 CoQ10の効果がでるには1日平均100ミリグラムの摂取が望ましい。牛肉は3キロ、ブロッコリーは12キロも食べる計算。普通の食事では1日5~10ミリグラム程度しか摂取できず、サプリメントで補うのが効率的。山本教授は「CoQ10は脂に溶け水に溶けない。サプリメントのカプセルに脂が入っているものを選び、食後だと吸収力は空腹時の5~6倍」とアドバイスする。

 ◇参入企業は200社、品質は玉石混交

 ただ、参入企業は約200社にも上り、品質は玉石混交状態。このため協会は、含有量や体内吸収率などを調べ、基準をクリアした製品に品質保証マークをつける取り組みを来年早々にも始め、粗悪品の撲滅を目指す。

毎日新聞 2004年11月25日 東京朝刊
by miya-neta | 2004-12-02 07:53 | 科学/技術