「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

「オニババ」ってなに?:/下 社会学的に晩婚化を考える

MSN-Mainichi INTERACTIVE 学芸


b0067585_16562324.jpg
小倉千加子さん

b0067585_1657130.jpg





 身体的な面から考えれば、若いうちに妊娠、出産した方がいい--疫学研究者の三砂ちづるさんは、自著「オニババ化する女たち」の中で女性たちに、体と向き合う豊かさを説き、早めの結婚や出産を勧める--しかし、そう望んでもかなわない現実がある。

 ◇いま恋愛難の時代「一人でいる方が落ち着く」

 ◇男性のコミュニケーション能力が低下

☆30歳以上の出産が50%

 厚生労働省の人口動態統計によると、30歳以上の出産件数は年々増え続け、70年には全出産の23%だったのが、03年には50%を占めるようになった。35歳以上の出産だけみると、70年には5%に満たなかったが、03年には14%に達した。

 その背景には晩婚化がある。女性の平均婚姻年齢は、70年では24・6歳だったが、03年には29・0歳となっており、出産年齢以前に結婚年齢が高くなっている現実がある。

 「結婚の条件」などの著作のある心理学者の小倉千加子さんは、「いかに妊娠や出産が楽しくて素晴らしいものだと言われても、その前に社会の中に居場所を定め、恋愛し、結婚するという手続きを要する。その段階ごとに苦労があるのに、オニババというのは酷」と言う。

 小倉さんは大学生から30代までの未婚者から聞き取りを続けている。「若い人たちにとって、まず生涯のパートナーを見つけるのが大変なこと。自分をさらけ出すと嫌われるかもしれないという恐怖感があるため、お金がないとか疲れているとか本音が言えない」

 大学生を対象に「彼氏、彼女と一緒にいる時、幸せかどうか」と自由回答方式でアンケート調査したところ、男女を問わず「二人でいる時より、一人でいる方が落ち着く」「付き合って3カ月くらいは楽しいが、長くなると面倒」「恋人だからといって、その人の枠にはめられるのがイヤ」などの回答が寄せられた。

 「男も女も、疲れて休むと負け組になるような厳しい社会状況で、恋愛もままならず、過労死してしまう。結婚難以前に恋愛難の時代なのです」

 ☆出産を肯定的に

 三砂さんは小倉さんの批判を受け止め、「社会的な構造を急に変えるのは大変なこと。でも、女性がまず出産を肯定的にとらえて次の世代に伝えられれば、少しずつ変えていくことができるのではないか」と話す。しかし、身体性を失っているのは女性だけなのか。

 「男と女の友人主義宣言」などの著者で千葉大教授(ジェンダー論)の佐藤和夫さんは、体を使う実生活の体験がないことが男性に自信を失わせ、コミュニケーション能力の低下を招いていると指摘する。

 「今の時代、非常に能力の高い一部のエリート以外は自信の持てない状況。それなのに、男性は料理や育児など生活体験をせず、競争原理だけで生きている。その結果、自信をもてない男性は、女性が自分に反論したり予想できない行動をすると対処できず、恋愛や結婚といったつながりを持てない」と話す。

 「街場の現代思想」などの著書がある神戸女学院大教授(身体論)の内田樹さんも、男性のコミュニケーション能力の低下に触れ、「オニババに対応するものはないが、男性も身体性を失っている」と言う。例えば、最近の若い男性は表情が乏しく、話す内容は明快でも声のトーンや語り方といった非言語的な部分に変化がないという。

 「昔から女性は逃げる方で、男性が追っかけてこそ結婚が成り立った。同性でも異性でも自分と異質な人と行動することができない男性が非常に多く、結婚に至るはずがありません」。“オニババ”化には「男の責任が非常に大」と内田さんはみている。【松村由利子】

「オニババ」ってなに?上はこちら

毎日新聞 2004年12月10日 15時04分
[PR]
by miya-neta | 2004-12-10 16:54 | 女 性