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「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

職員室は1階に、安全マニュアルに異例の明記へ…大阪

YOMIURI ON-LINE / 社会


 職員室は1階か、それとも2階か――。少年(17)が校舎2階の職員室まで侵入、教職員3人が殺傷された大阪府寝屋川市立中央小学校の事件を受け、府教委は26日までに、学校安全マニュアルに「小中学校の職員室は1階に設置するのが望ましい」と明記することを決めた。

 外部からの侵入に迅速に対応できるという判断からだ。都道府県教委が学校現場に対し、職員室の設置場所まで示すのは異例だという。児童の体力や災害時の避難を考慮して低学年の教室や養護学級を1階、職員室を2階に置く学校は全国的に少なくない。“職員室のあるべき場所”を巡って、教育界に波紋が広がっている。

 中央小の職員室は、本館校舎2階。少年が最初にうろついた1階には養護学級や保健室、図書室がある。

 寝屋川市では市立小中計38校のうち、中央小を含め約6割の24校が職員室を2階に設置。2階以上に職員室があるのは、大阪市で約4割の175校、高松、さいたま両市でも約7割を占める。

 学校側からは「校庭全体を見渡しやすい」との声がある反面、「来客の多い職員室が2階にあると、不審者と来客を見分けにくい」との指摘もある。

 2001年の大阪教育大付属池田小の児童殺傷事件以降、全国的に見ると、主流は1階だ。

 文部科学省が、緊急時に即応できる場所に職員室を配置するよう各都道府県教委に通達。階は指定されていないが、京都、神戸両市では約9割の小中学校が1階に置いている。事件後に建て替えられた付属池田小の新校舎は、入り口にスロープを設けて2階に玄関、職員室を配置。侵入者に対応しやすく、グラウンドなど校庭全体も見渡しやすい構造になっている。

 文科省などによると、職員室は一般教室より床面積が広く、火災報知機など防災設備も多い。校舎の構造や児童生徒数などは各校まちまちで、移設するとしても、場所の確保やかなりの費用が必要になる。

 こうしたことから、ほとんどの都道府県教委は、安全マニュアルや通達文書に職員室の設置場所までは明記していない。

 今回、「職員室は1階で、正門を見通せる位置が望ましい」との指針をマニュアルに示すことにした大阪府教委。実は、2003年末のマニュアル作成時に、内部で「職員室や受付の位置を明確にすべきだ」との意見が出ていた。しかし、この時は各自治体の財政事情などを考慮して、明記を避けた。

 一方、学校現場では、低学年の教室を上階へ移す動きも広がりつつある。

 青森、八戸両市では付属池田小事件後、7小学校が1年生の教室を2階以上に移設した。1年生の教室はこれまで、地震や火事の時に避難しやすい1階だった。八戸市立白鴎小の小林吉春校長は「侵入者に対しては高学年の方が機敏に動けるため、4年生を1階にし、1年生を2階にした。教室の配置を変えたことによって、特に問題は生じていない」と話している。

 
(2005/2/26/14:31 読売新聞 無断転載禁止)
by miya-neta | 2005-02-27 08:16 | 教 育