TBS社員ら不起訴 石原発言誤報問題「捏造と言えぬ」
2005年 03月 30日
アサヒコム 2005年03月30日06時19分
TBSの番組で日韓併合に関する発言を誤って伝えられたとして、石原慎太郎・東京都知事が名誉棄損容疑で同局側を告訴した問題で、東京地検は29日、警視庁が同容疑で書類送検した同局のプロデューサーら4人を嫌疑不十分で不起訴処分にした。地検は「前後の文脈の内容などを考慮した場合、問題とされた部分だけで都知事の社会的な評価を下げたとは言い切れない」と判断した。
調べによると、知事は03年10月28日、集会で「日韓合併の歴史を百%正当化するつもりはない」などと発言。TBSは同年11月2日、情報番組「サンデーモーニング」で、「日韓合併の歴史を百%正当化するつもり」と述べた、と字幕付きで誤って報道した。
地検によると、番組制作スタッフが発言をテープに起こす際にミス。語尾が聞き取りにくかったため「正当化するつもりだ」と誤記し、別の関係者が十分に精査せずに字幕を作ったという。地検は、誤りが生じた経緯についても「故意に事実をねじ曲げて報じたわけではなく、捏造(ねつぞう)とは認められない」と判断した。
TBSは放送後、別の情報番組で訂正・謝罪したが、石原知事は「都民の信頼を失墜させた」として告訴し、警視庁は「知事の社会的評価をおとしめた」として書類送検していた。
TBSは「今後このようなことがないよう努めてまいりたい。字幕をミスによって誤って表示したことは大変申し訳なく思っている」との談話を出した。