「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

発信箱:扇動に踊らず、道義を示せ 山田孝男(編集局)

MSN-Mainichi INTERACTIVE 話題


 広州のデモには「原爆で日本を滅ぼせ」というプラカードまで登場したそうだ(11日本紙朝刊ルポ)。あきれた扇動に日本人は当惑するばかりだが、一方で在京中国大使館と在阪中国総領事館に刃物が送りつけられたり、中国大使公邸に赤ペンキをぶちまけるなど陰湿な動きもある。警察は不届き者の割り出しに全力を挙げ、日本が「やられたらやり返す」式の退行を許さない道義国家であることを世界に明らかにしてもらいたい。

 一連のデモの重要なきっかけは、国連のアナン事務総長が日本の安保理常任理事国入りを支持したことに対する反発だという。日本は政治大国になりたいという子供じみた執着心で常任理事国入りを目指しているわけではない。国外の戦乱に目を閉ざし、平和と繁栄をむさぼってきた自らの戦後を問い直した。長い議論を経て、経済だけでなく政治面でも国際社会に積極的に関与する道を選んだのだ。常任理事国入りに反対する声は国内にもあるが、「軍国主義を目指している」式の扇動に驚いて方針転換するという選択肢はない。

 敗戦の呪縛から抜け出したい日本と、日本の敗戦を建国の原点とする中韓両国の対立は宿命である。時ならぬ歴史認識摩擦の大火事に直面したわれわれは、いやでも戦後60年の原点を思わざるをえない。戦争を忘れ、矛盾を簡単に乗り越えられると割り切った日本人のごう慢--に対する隣国の批判を謙虚に受け止めよう。だが、この局面で重要なのは、日本大使館襲撃の責任を追及し、扇動では動かない日本社会の成熟と、駆け引きを拒絶する国民の結束を示すことだ。(編集局)

毎日新聞 2005年4月18日 0時25分
[PR]
by miya-neta | 2005-04-18 08:32 | 国 際