「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

【反日デモ 私はこうみる】元駐中国米大使・ジェームズ・リリー氏

Sankei Web 政治 【反日デモ 私はこうみる】元駐中国米大使・ジェームズ・リリー氏(04/18 08:13)


 今回の事件をめぐる日本国民の懸念はよく理解している。デモ隊が暴徒化し、大使館や領事館に投石をするなどということは、絶対に受け入れられないことだ。日本が賠償を求めるのは当然だ。

 「法による統治」など、そもそも中国にはあてはまらないことは、みな知っているだろう。(賠償要求に対しても)彼らは、彼らの考えだけを主張し、それを通そうとするだろう。(ユーゴスラビアの中国大使館誤爆事件直後の)一九九九年、北京の米国大使館も襲われたが、その時は賠償交渉は最終的に妥結に至った。交渉を成功させる最良の方法は、迅速に、ただし水面下で交渉することだ。

 中国に求めたいことは、感情的にならず、冷静さを保ってほしいということであり、こうした問題を(政治的に)もてあそんではいけないということだ。日本の誰かが靖国神社を参拝したとしても、そうしたことをいつまでも問題にすべきではない。

 これまでは日韓、日中の対立は言葉による応酬であり、暴力沙汰(ざた)になったとしても、ささいなものだった。各国政府が国益に立って考え、相手国と問題の本質だけを話し合うという態度をとるなら、こうした不安定は生じない。歴史をめぐる敵対感情などといった問題に比べると、北朝鮮の核問題が本来より深刻であることに気がつくべきだ。

 今回の問題が、六カ国協議に影響しないことを期待している。多くの人は影響しないというが、私はやはり影響は避けられないと考えている。各国がもう少し冷静になれば、本当に危険な北朝鮮の核問題の解決に向けて前進することができると思うのだが。

 東南アジアの反応だが、中国は急速に経済面で関係を強化している。しかし、この地域は、一九八〇年代に中国の軍事的脅威に強い懸念を感じ、シンガポール、マレーシア、タイなどが米国との軍事協力を強めた。中国との経済的な結びつきが強まる一方、今回の問題をみて、東南アジア各国は米国との軍事協力を強化する余地を残しておこうと考えるかもしれない。

 今回の事態に米国は干渉すべきではないが、仲介はできると考えている。われわれは第二次大戦の日本に対する敵対意識などとっくに捨てているし、他の国より成熟しているからだ。しかし、それほど多くの手段があるわけではない。せいぜい相互の譲歩を勧め、武力行使を戒めるくらいのことしかできないだろう。

 (聞き手=ワシントン 樫山幸夫)


           ◇
 ジェームズ・リリー ジョージ・ワシントン大、エール大卒。ジョンズ・ホプキンス大教授などを経て、駐韓大使(1986年-89年)、駐中国大使(89-91年)、国防次官補(91-93年)などをつとめる。現在、アメリカン・エンタープライズ・インスティテュート上級研究委員。中国、台湾、朝鮮半島に関する著作、論文多数。
【2005/04/18 東京朝刊から】

(04/18 08:13)
[PR]
by miya-neta | 2005-04-18 09:01 | 国 際