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「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

両陛下:訪欧を前に会見(3)

MSN-Mainichi INTERACTIVE 皇室


 【質問4】天皇陛下にお伺いいたします。ご存じの通り、世界の人々は天皇、皇后両陛下、及び皇族の方々の日々のお過ごしされておられる生活環境に対し、非常に高い関心を持っています。しかしながら現在の状況、つまり我々外国メディアは天皇、皇后両陛下、及び皇族の方々の外国ご訪問の際の記者会見のみ参加できる機会しか与えられておりません。外国メディアと接する機会をさらに多く増やされるというお考えはいかがでしょうか。

 【天皇陛下】皇室の活動について、事実に基づいた正しい報道がなされることは、極めて大切なことだと思います。ただ、メディアとの関係については国によってさまざまな習慣や考え方があり、この問題はそれらを踏まえて、宮内庁が扱っていますので、私からこれ以上ふれるのは控えたいと思います。

 【質問5】天皇陛下にお伺いいたします。読売新聞の調査によると、学生の過半数は国歌斉唱と国旗掲揚には興味がありません。去年の秋には天皇陛下ご自身が国歌斉唱と国旗掲揚についてご発言を述べられましたが、学校で国歌斉唱と国旗掲揚を強制させることはどうお考えでしょうか。

 【天皇陛下】世界の国々が国旗国歌を持っており、国旗国歌を重んじることを学校で教えることは大切なことだと思います。国旗国歌は国を象徴するものと考えられ、それらに対する国民の気持ちが大事にされなければなりません。オリンピックでは優勝選手が日章旗を持ってウイニングランをする姿が見られます。選手の喜びの表情の中には、強制された姿はありません。国旗国歌については、国民一人一人の中で考えられていくことが、望ましいと考えます。

 そのようなことから、その後も欧州やアフリカを訪問する機会には、当時、皇太子妃であった皇后とともに時差調節も兼ねてラーケン宮に泊めていただき、何回か両陛下とお話しする機会を持ちました。ある時は国王、王妃両陛下がオランダのベアトリックス女王ご夫妻をご一緒に招いて下さり、楽しい一夜を過ごしたこともありました。

 各国で王室の制度は異なっており、スウェーデンのように近年に至って、日本に最も近い憲法を持ち、国王が国政にほとんどかかわることの無くなった国もあれば、隣のノルウェーのように、毎週、国王主催の下に閣議が開かれる国もあります。そのスウェーデンも私が初めて訪問した時には、現国王の祖父にあたられるグスタフ6世の下で、閣議が開かれていたということを聞いております。

 このように国によって制度も王室の在り方も異なり、また、歴史に伴う変遷も見られますが、国民の幸せを願い、力を尽くしていくという点では、日本の皇室も欧州の王室も一致しており、さまざまなことで共感を覚えます。

 私は日本の皇室については、過去の日本を振り返り、私どもはこれまでに経験してきたことを元に、国民と心をともにすることを念頭に置きつつ、望ましい在り方を求めていきたいと思っております。

 【皇后陛下】欧州の王室に限らず、アジアや中東の王室も含め、各国王室とのご交際からは、これまでたくさんのことを学んでまいりました。それらのことは私の考え方や生き方にある種の幅を加えてきたと思いますが、こうした恩恵にも増して、私がいつも自分の大きな喜びとし、大切にしてきたのは、世界各地の王室の方々の長年にわたるご友情そのものではないかと思っております。

 今、親しい王室の方々の多くが現代の激しく移り変わる社会の中で、王政がそれぞれの国の好ましい発展にどのように寄与していけるかを真剣に考えておられます。こうした意味で私どもは離れ離れに暮らしていても、同じ目標に向かって生きており、その同じ志の中でお互いを支え合い励まし合っているように感じます。

 今の質問にあった皇室の今後にとり参考になることと申しますのが、皇室制度や組織のことを指しているとすると、私の答えは少し外れたお答えをしてしまったかもしれませんが、私にとっての王室、皇室間のお付き合いについての気持ちのみ述べさせていただきました。

 各国の王室や皇室がそれぞれの社会において成熟し、国民の中により深く内在し、国の安定に寄与していくことが出来、お互いにさらにふさわしい同志として友情の質を高め合っていくことが出来ればと願っています。

 【関連質問】20年ぶりノルウェー、アイルランドのご訪問で、先ほどお話の中でありましたが、アイルランドのタラの丘を訪れられた際には、ちょっとしたハプニングもあったかと思いますが、前回の思い出で、両陛下で特にお話になっていることがあれば教えていただければと。ノルウェーの皇太子が来られた時に何かお話になったようなことがございましたら、教えていただければと存じます。

 【天皇陛下】今、タラの話が出ましたけれども、今日の質問のお答えにも2人ともタラを挙げたように、タラへの訪問は思い出深いものがありました。ただ、あの時は雨の後だったと思いますけれども、そこで転んでしまったので、それが今のハプニングということになったんではないかと。

 ノルウェーの皇太子殿下のお話ということですが、まず、やはり国王陛下のご健康のお話を伺いました。それから、皇太子殿下がどのようなことを今なさっているかということもお話を伺いました。先ほど、ノルウェーでは、国王が閣議を主催するということを触れましたけれども、これもその時の話で出て、帰るとすぐ閣議に出なければいけないということを言ってらっしゃいました。

毎日新聞 2005年4月25日 23時14分
by miya-neta | 2005-04-25 23:14 | 社 会