恩賜たばこ:来年度までに廃止へ 禁煙の高まりを考慮
2005年 06月 07日
天皇、皇后両陛下が地方などを訪問した際、警備の警察官らに感謝の品として配布している「恩賜のたばこ」について、宮内庁は、来年度までに全廃することを決めた。7日の定例会見で風岡典之次長が明らかにしたもので「以前から検討していたが、喫煙者が減っている中で、続けることがいいのかということで議論した」と、最近の禁煙の高まりを考慮したことを強調した。
恩賜のたばこは「明治天皇紀」に西南戦争=1877(明治10)年=の傷病兵に皇后が支給したという記述があり、国民と皇室をつなぐ小品として130年近く配布されてきた。現在は、皇居の清掃をボランティアで行っている勤労奉仕団などに主に配られている。
約20年前には年間約260万本を購入していたが、最近は約140万本に減少し、減った分は菊の紋章入りのお菓子などに代わってきている。同庁は、たばこに代わる品物として、配布先を考慮しながらその都度考えていくという。宮殿での行事などで供される接遇用のたばこについては、今後も年間2万数千本程度を確保しておくという。
毎日新聞 2005年6月7日 18時53分