「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

[皇位継承案]「国民にわかりやすい制度に」

7月28日付・読売社説(1) : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


 天皇の地位の継承を、将来にわたって安定的なものとする制度は、どうあるべきか。

 首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」が、今後の検討のたたき台となる論点整理を公表した。

 1月から計10回の会合を重ねた。専門家を招き、ヒアリングも行った。秋には最終報告をまとめる予定だ。

 現行の皇室典範は、「皇位は男系の男子が継承する」と定めている。父親が天皇につながる男性の子孫が継承する制度だ。これに対し、論点整理では、見解が対立する2案が示された。

 一つは、戦後、皇族の身分を離れた旧宮家が皇族に復帰することで、男系男子の継承を維持しようとする案だ。もう一つは、女性天皇とその子孫の継承を容認する案で、例えば皇太子ご夫妻の長女、愛子さまも対象者となる。

 現在、最も若い皇位継承者は39歳の秋篠宮さまだ。いずれ「継承者が不在となるおそれがある」として、その範囲を広げる必要性では一致している。2案は方法の違いだが、根本的に制度が変わる点では変わりない。

 旧宮家を皇族に復帰させて、歴史上、一貫して男系で維持されてきた伝統を重視すべきだ、とする主張に対して、旧宮家の復帰には国民の理解は得られない、とする反論がある。

 象徴としての役割を果たす上で男女は問題ではない、とする意見に対して、天皇の正統性に疑念が生じ、統合力も期待できない、とする声もある。

 論点整理では、このような賛否両論も併記された。個々人の歴史観や皇室観の違いによって、埋めることが難しい溝でもあるだろう。

 本紙の1月の世論調査では、皇室典範を改正して女性天皇を認めることに、8割近い人が賛成した。だが、仮に今後、皇族に男子が誕生すれば、国民の気持ちが微妙に変わってくる可能性はある。将来的に不確定な要素も多い。

 有識者会議の吉川弘之座長は、最終結論について「両論併記にはしない」と説明している。どちらの案を採っても、国民的議論を呼ぶことは間違いない。

 天皇の直系子孫でも、長子を優先させるか、兄弟姉妹間では男子が優先か、という皇位継承順位や、女性宮家の創設の在り方など、難問が控えている。

 いつまでも静観はできないが、数か月を惜しんで結論を急ぐことでもない。国民の理解と支持が得られるよう、わかりやすい制度とする必要がある。

 後に禍根を残さないためにも、じっくり論議を尽くすことが大切だ。

(2005年7月28日1時54分 読売新聞)
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by miya-neta | 2005-07-28 01:54 | 政 治