ブッシュ大統領、進化論に異議 「別の考えも教えよ」
2005年 08月 04日
ブッシュ米大統領が、進化論に異を唱えるキリスト教右派の主張に同意し、公立学校の授業で進化論以外の考えも示すべきだと発言、波紋を広げている。
大統領は1日に行われたテキサス州の地元紙とのインタビューで、聖書を厳格に解釈するキリスト教右派が熱心に説いている「インテリジェント・デザイン(ID)」に関する見解を聞かれた。
人間の複雑な細胞の構造は進化論だけでは説明できず、「高度な理知」の手が入ることにより初めて完成するというのがIDの骨格。一部の学者は支持しているが、「科学の衣をまとった信仰だ」との批判が大勢だ。
大統領は、学校のカリキュラムは連邦政府が決めることではないと述べる一方、「生徒たちは異なった考えに触れるべきかという問いの答えはイエスだ」と、公立学校でのID教育を全面的に支持する考えを示した。
キリスト教右派の指導者、ボーアー氏は「IDは大統領のお墨付きをもらった」と大歓迎。これに対し、全米政教分離連合などの市民権団体が「大統領としてあまりにも無責任な発言」と強く非難し、宗教と公教育をめぐり全米を二分する議論は激しさを増している。(共同)
(08/04 09:34)