「自殺率10年トップ」返上へ 秋田県が緊急対策
2005年 09月 28日
2005年09月28日19時44分
自殺率が10年連続で国内最悪の秋田県は自殺予防事業を徹底させるための補正予算案(572万円)を組み、28日の県議会福祉環境委員会で詳細を説明した。全国の年間自殺者は7年連続で3万人を超えている。いち早く予防事業に乗り出した同県では昨年、増加傾向にあった自殺者数が減少に転じたが、今年は再び増加傾向にあり、追加対策を急いだ。自殺予防の「秋田モデル」は全国の自治体が注目しており、成否は国の総合対策にも影響を与えそうだ。
同県は00年度、本格的な自殺予防事業を始め、地域に応じたきめ細かいケアを続けてきた。効果はすぐには出ず、03年には年間の自殺者が500人を超え、自殺率も全国平均の1.7倍の44.6人(10万人当たり)に達したが、昨年は前年比67人減の452人にとどまった。減少傾向が続くかどうかがカギだったが、県警のまとめで今年8月末までの自殺者が前年同期を13人上回る328人に上ったことが分かり、県は危機感を強めた。
緊急対策では10月以降、経済苦からの立ち直りがテーマの講演会や、職場での「メンタルヘルス研修会」を開く。自殺予防のチラシを県内全世帯に配布し、「生活経済問題」「病苦」などをテーマにフリーダイヤルの電話相談も受け付ける。さらに、地域を限って集中的に自殺予防策を進めてきたモデル事業を、初めて市部に広げる。