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「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

霊魂の存在に関する学術的研究(上)

Hotwired Japan


2005年10月11日 2:00am PT

Randy Dotinga

 アリゾナ大学の心理学研究所は「動的情報エネルギーシステム」や「意識は生き残るという仮説」の研究に時間を費やしている。一方でバージニア大学の心臓専門医たちは、心臓病患者が手術中に「超常的な世界」に入るかどうかを研究している。さらに同大学の精神科医は、世界中から「輪廻(りんね)」と考えられる事例の記録をまとめている。

 わかりやすく言うと、米国でもトップレベルにある2つの大学の教授や医師たちが、魂や臨死体験、霊魂の生まれ変わりについて研究しているのだ。

 もちろん、来世の謎を解き明かそうとした科学者は、アリストテレスからトーマス・エジソンに至るまで、歴史をさかのぼれば大勢いる。たとえばエジソンは、ゾウを感電死させるかたわら、死体にメガホンを置いてじっと観察していた。しかし、この現代に来世の研究だって? しかも正統な高等教育機関で? いったいどういうことだろう。

 カリフォルニア州オークランド在住の科学ジャーナリスト、メアリー・ローチ氏によると、こうした研究機関は来世の存在をめぐる論争に目を向け、こう断言しているという。「『それは研究可能だ。(この分野でも)専門家による相互評価を経た研究という原則を当てはめることができる。われわれにはそれができる。もちろん、なぞは解明できる』」。ローチ氏は最近、『幽霊:科学が来世に挑む』(Spook: Science Tackles the Afterlife)という著書を出版している。

 もともと疑い深い性格のローチ氏は、2003年に出版されてベストセラーになった『死体はみんな生きている』[邦訳・日本放送出版協会刊]の執筆中に、魂の科学に興味を持つようになった。同著の中でローチ氏は、ニューイングランド州の医師ダンカン・マクドゥーガル博士の奇妙な話に触れている。マクドゥーガル博士の発見は、ベニチオ・デル・トロが出演した2003年の『21グラム』という映画のタイトルで、人々の心に刻まれることになった。

 マクドゥーガル博士は魂に重さがあるとの仮説を立て、末期の肺結核患者をはかりに乗せれば測定できると考えた。人は死ぬとき魂の分だけ体が軽くなるだろう、と。瀕死の男性を使って行なわれた実験の結果、どうやら死の瞬間に、魂がどこかに移り、21グラム軽くなったようだった。

 この研究は信憑性に欠けるとされ、マクドゥーガル博士は今ではちょっと変わった人間という扱いになっている。ただしローチ氏は、20世紀初頭の「米国人の気概」を象徴するマクドゥーガル博士の研究にほれ込んだ。そして来世に関する研究、さらにはこうした研究のまやかしを暴こうとする活動の歴史をまとめはじめた。ローチ氏は「膣から出てきた」エクトプラズム(詳しいことは聞かないでほしい)や超低周波音と幽霊の関係といったテーマに果敢に取り組んだ。

 ローチ氏によると、今日の学術界では来世の研究は隅に追いやられた存在だという。「現在進められている研究はほとんどない」とローチ氏は話す。「正統な研究でさえ容易には研究資金を得られないような時代なので、超心理学のように一見不真面目と思われがちな分野では(苦労するのは)当然のことだ」

 それでも、税金の一部――そしていくばくかの民間の支援――が現代の科学では説明できない世界の研究に向けられている。「このようなくだらない研究に金を使うなんてもってのほかだと考える人もいれば、医学や心理学の分野で扱うべき重要な問題だと考える人もいる」とローチ氏は話した。

 たとえばアリゾナ大学では、『ヒューマン・エネルギー・システム研究所』という無難な名前の施設で、研究者が霊能者を介して死者にさかんに質問を行なっている。この研究所の年間予算は約50万ドル。研究対象となっている人の中には、米NBCのドラマ『霊媒』(Medium)のモデルとなったアリソン・ドゥボイスさんもいる。研究所ではこのほか、「エネルギーヒーリング」や「手かざし療法」といったテーマにも取り組んでいる。

(10/17に続く)


[日本語版:米井香織/多々良和臣]
by miya-neta | 2005-10-17 07:07 | 科学/技術