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「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

「雇われない生き方」を目指すために

インテリジェンスの業界レポート


フリーランスに代わって、インディペンデント・コントラクターという呼び名が広がっている。彼らは、自身の知的能力で企業と対等に渡り合うプロフェッショナルたちである。そして、自分の人生に対して「自由と自己責任」を胸に刻み、「雇われない生き方」を志向している。サラリーマンの立場からそれを目指すためには、どのような点に留意すればよいのだろうか。
インディペンデント・コントラクターという就労スタイル

従来、企業組織に属さず個人で働く人を指す言葉に「個人事業者」、「フリーランサー」などがあるが、最近ではここに「インディペンデント・コントラクター」(略称:IC)なる言葉が加わった。いずれも一個人が主体となって、製品やサービスをつくりだし、その報酬を得る就労スタイルである。

個人事業者が一番大きな括りの言葉であるが、フリーランサーは、どちらかというとデザイナーやカメラマン、ライターなどクリエイター系の職種を指して呼ぶことが多いのに対し、ICはコンサルタントやマーケター、プロジェクトマネジャーなど、いわゆるホワイトカラー系の専門知識・経験を売り物にしている点がニュアンス的な特徴となっている。NPOインディペンデント・コントラクター協会によれば、「期限付きで専門性の高い仕事を請け負い、雇用契約ではなく業務単位の請負契約を複数の企業と結んで活動する独立・自立した個人のことをインディペンデント・コントラクター(IC=独立業務請負人)と呼んでいます。(中略)サラリーマンでも、事業家でもなくフリーエージェントである働き方。『雇われない、雇わない』これが、ICの生き方と定義されます」とのことだ。

サラリーマンを脱してICとなった人たちの理由として、自分でひとり立ちできる知識や能力、人脈が付いたから、企業という組織の中でやりたくない業務や政治的な根回しに時間・労力をとられずに、自分の専門分野に集中特化できるから、自己責任を引き受ける代わりに自由を手にしたいから、ひょっとしたら一攫千金が狙えるかもしれないから、定年がないから、などだ。一方、それを活用する企業側もICの登場を歓迎している。専門性の高い知識と能力、強いプロ意識を持つ外部人材を必要なときに、必要なだけ契約を交わして自社に取り込むことができる柔軟性を持っているからだ。すでに米国では、900万人に近いICがビジネス界で活躍しているという。今後日本でも、このICの需要と供給の裾野は広がってきそうだ。

「雇われない生き方」はハイリスク・ハイリターン

さて、ICを目指すにはどのようなことが大事になってくるのだろうか。仕事面での知識や能力もさることながら、マインド面での特性も考慮に入れなければならないだろう。会社という組織に守られるサラリーマンとは異なり、ひとたび病気やケガで仕事ができなくなれば収入も途絶えてしまうので、健康面においても注視しておく必要がある。一個人が直接社会と向き合うICは、やはりハイリスク・ハイリターンの生き方なのだ。

そこで今後ICを目指すための必要条件を列挙してみた。下記をご覧いただきたい。

・稼げる技術、才能、資質、専門知識をひとつ以上持つこと
・将来のなりたいイメージ、もしくは具体的な夢を強く抱いていること
・自分に注文をくれる人脈を広く築くこと
・仕事を手伝ってくれるタレントネットワークを持つこと
・最低6カ月間無収入でも暮らせる貯蓄を行うこと
・不安定さに対して寛容になること
・変化、激流を楽しめるタフなマインドを持つこと
・楽観主義でいられること
・負けず嫌いなこと
・仕事を長期継続できる健康体であること

いかがだろう。サラリーマンは「働き方」の問題であるが、ICは雇われないという「生き方」の問題である。誰しも今後の人生において、なにかのきっかけでICへの扉が開かれるかもしれないのだ。
by miya-neta | 2005-11-10 19:21 | 経 済