「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

小泉後継レース/4点セットが潮目を変えた

河北新報ニュース


 仙台市東部の住宅街を歩いていて、町内会の掲示板に張ってある1枚の紙に目が留まった。「次の首相は福田康夫氏(元官房長官)だ」と墨書してある。町内会は政治的に中立なはずなので、これには少々驚いた。

 新聞各紙の最近の世論調査によると、「ポスト小泉」の自民党総裁選レースでは、安倍晋三官房長官が相変わらず群を抜いているが、複数の調査は、福田氏がじわりと支持を広げ、安倍氏を追走し始めたと伝える。
 こうした現象はいったい何を意味すると考えればいいのか。

 親中国派の福田氏は対中政策では小泉純一郎首相と相当の開きがあるし、首相の靖国参拝にも批判的だ。いまや、福田氏は自民党内の反小泉勢力のシンボリックな存在となっている。

 その福田氏がこれまでの小泉後継レースでは、安倍氏、麻生太郎外相、谷垣禎一財務相の後塵(こうじん)を拝してきたのだが、ここにきての台頭はレースの構造の変化を示すものだ。

 靖国神社問題や対中・韓国外交、一連の小泉改革などで小泉首相への忠誠心競争を強いられているとさえ揶揄(やゆ)される安倍、麻生、谷垣各氏に小泉首相をしのぐタレント性を見つけるのは難しい。それゆえに総裁選レースは小泉氏が演出も監督も務める「小泉劇場」の中で演じられているとされてきた。

 しかし、福田氏の支持拡大は、自民党内の反小泉勢力が勢いを増してきたというより、小泉劇場を舞台とした党総裁選レースの性格が自己変質しつつあることをほのめかしていないか。
 もっと言うなら、それは小泉首相の求心力の低下に伴う小泉劇場の揺らぎであり、小泉首相が主導してきた後継レースの潮目の変化をも意味するだろう。

 大型国政選挙がない今年の最大の政治イベントである自民党総裁選で、有終の美を飾りたかった小泉首相の思惑を狂わせたのは、言うまでもなく、ライブドア事件、耐震強度偽装問題、米国産牛肉問題、防衛施設庁談合事件の「4点セット」だ。

 そして見逃してならないのは、民主党など野党がこの4点セットをめぐる国会論戦で勢いづく裏側で、競争と格差を強いながら「勝ち組」と「負け組」を生み出してきた小泉構造改革に自民党内からも批判が吹き出しつつあるということだろう。

 青木幹雄自民党参院議員会長は「国内が『光と影』に二極分化し、格差が広がってきているのではないか」と表現する。共同通信の1月末の世論調査によると、小泉構造改革について、2人に1人が「見直すべきだ」とし、4人に3人が「経済的格差が広がっている」と答えているが、青木氏らの声はこうした世論の風圧を意識したものだ。

 本来なら、自民党の総裁選候補者選びが本格化すれば、現職首相の求心力は衰え、党内の権力構造は激変する。そこに野党との対立軸が絡めば、政治の緊張感と国民の関心は高まる。

 昨年の衆院選における小泉自民党の大勝がもたらした政治の弛緩(しかん)。少なくとも、その延長上で政治は好転しないことに、世論は気づき始めているのだ。

2006年02月03日金曜日
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by miya-neta | 2006-02-03 09:00 | 政 治