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「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

吉本流“ツッコミ笑学校”

深める伝え合う力(5) : 教育ルネサンス : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


教室での「ボケ」と「ツッコミ」が教師と子供の距離を近づけると考える福岡教諭
吉本流“ツッコミ笑学校”_b0067585_10343595.jpg 笑いを取り入れた授業やクラブ活動を展開する教師がいる。

 「あのころは ハッ」

 和田アキ子さんをまねた発声練習に、子供たちは笑いをこらえながら取り組む。京都市立松尾小学校2年の音楽の授業。「プロは、これで練習してるんやで」と担任の福岡亮治教諭(29)がハッパをかけると、子供の声に力がこもった。

 ある日の算数。福岡教諭が「リンゴが二つあります。さて何でしょう?」と問題を大幅に省略してボケると、子供たちから「意味がわからん」「最後まで言うて!」とツッコミが入る。授業に集中させる手法だ。

 「ツッコミは、相手の話をよう聞いて、文脈を的確に判断しないと、できへんのです」と語る福岡教諭は、大学在学中に吉本興業のタレントとして活動した経歴を持つ。

   ◎

 「芸人より教師に向いている」という島田紳助さんの助言で、2001年に教師に転身した。「相手を理解して何かを伝えるという点で似ていると思う」

 日常会話の中に「ボケ」と「ツッコミ」がある関西の風土。これを授業に生かせないかと考える。笑いの技術を教育に取り入れようと活動する「お笑い教師同盟」にも所属する。

 昨秋には、同僚と校内に漫才部を作った。漫才で笑いを取るには、誰にでもわかる言葉を使い、間(ま)の置き方を工夫するなど、子供たち同士のコミュニケーションに役立つ要素がすべてあると気づいたからだ。4年生以上の16人が、若手漫才師日本一を決める「M―1グランプリ」1回戦突破を目標に、毎週月曜のクラブ活動でネタ作りに励んでいる。

   ◎

 「最後に言う『あほ』は、ちょっと間を置いた方がいいな」

 広島市の山あいにある市立筒瀬小学校で、松前朋貴教頭(49)が助言する。毎週水曜の昼休みは課外活動「お笑い研究会」の練習の時間だ。全校児童44人の小さな学校で、15人が、年1、2回の発表会のほか、公民館や老人ホームでも落語やコントを披露している。

 2月1日には4年生の下原千明さん(10)と宿利吏歩子さん(10)のコンビ「モルモット」が、ことわざ「犬も歩けば棒に当たる」を題材にしたコントを練習中だった。「友達と話す時にも、場を盛り上げようとか、こうしたら笑ってくれるかなとか、意識するようになりました」

 「研究会」は松前教頭のかけ声で1998年に出来た。笑いの文化を探究する「日本笑い学会」にも所属する松前教頭は、観客を意識することの大切さを子供たちに説く。

 大きな声でわかりやすく。笑いのポイントでは間をあけて。「聞き手の反応を見ながら、意図が伝わるように自分なりの工夫をする。それは普段の授業や会話でも同じことです」(西堂路綾子、大木隆士)

 笑いの研究 「お笑い教師同盟」は、NPO法人「授業づくりネットワーク」の上條晴夫理事長を中心に、教師グループが、笑いを取り入れた授業のネタや指導法を研究している。2001年結成で会員約80人。「日本笑い学会」(井上宏会長)は、大学教授や医師、主婦、学生らが、芸能や文学など、様々な分野の笑いを研究対象とし、健康面の有効性をアピール。1994年設立で、会員約1000人。

(2006年2月11日 読売新聞)
by miya-neta | 2006-02-11 10:32 | 教 育