「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

経産省が「社会人基礎力」に定義

特集ニュース : ニュース : ジョブサーチ : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


 コミュニケーション能力など「人との接触の中で仕事をする能力」が職場などで重視されつつある一方、若者のそうした能力の低下が指摘されている。経済産業省は、こうした能力を「社会人基礎力」と名づけ、その定義や育成、評価、活用のあり方を探る「社会人基礎力に関する研究会」を8回にわたって開き、中間報告を先週発表した。

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若者育成の観点から
 この研究会は、同省の北畑隆生経済産業政策局長の私的研究会。諏訪康雄・法政大大学院教授を座長に、トヨタ、ソニー、日立などの企業、大学など教育機関、地方自治体、経済団体、労働組合など各界の代表が委員として参加した。

 最近、職場などで求められる能力として、基礎学力や専門知識に加え、コミュニケーション能力や実行力、積極性などが重要だとの指摘が多くなっている。こうした「社会人基礎力」=別表=は従来、大人になる段階で「自然に」身につくと考えられ、その育成は半ば「常識」レベルのことと見られてきた。しかし、同研究会の諏訪座長は「日本社会の中で、こうした能力を育てる仕組みのはたらきが相対的に低下してきている」とし、「明確な定義を与え、意識的な育成の対象としてとらえることは大きな意味がある」と強調する。

 研究会では、この社会人基礎力について「最近の若者を見ると、優秀な人は10年前と比較にならないほど優秀だが、中間層を形成する6割ぐらいの平均的水準はやや低下しているように見える」と、能力のばらつき拡大を指摘する意見が多かった。ベネッセコーポレーションの調査でも、大学生の意欲、説得力、協調性といった「社会的強み」が、1997年から2005年の間に全般的に低下してきたという結果が出ている。

「社会人基礎力」の内容

前に踏み出す力(アクション)

一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力
主体性=物事に進んで取り組む力
働きかけ力=他人に働きかけ巻き込む力
実行力=目的を設定し確実に行動する力

考え抜く力(シンキング)
疑問を持ち、考え抜く力
課題発見力=現状分析し目的や課題を明らかにする力
計画力=課題解決のプロセスを明らかにし準備する力
創造力=新しい価値を生み出す力

チームで働く力(チームワーク)
多様な人とともに目標に向けて協力する力
発信力=自分の意見を分かりやすく伝える力
傾聴力=相手の意見を丁寧に聴く力
柔軟性=意見の違いや立場の違いを理解する力
情況把握力=自分と周囲との関係性を理解する力
規律性=社会のルールや人との約束を守る力
ストレスコントロール力=ストレス発生源への対応力

求める“人材像”も明確化
 これまで社会人基礎力は学力と相関関係にあり、企業は採用にあたって、数値化しやすい学力によって評価すればよかった。しかし、最近は相関関係が低下し、企業も社会人基礎力を独立した要素として意識することが必要になってきているという。このため、中間報告では「社会人基礎力を企業、若者、学校などをつなぐ『共通言語』として明確に位置づけ、関係者の連携を強化して長期的な観点から育成する新たな社会的な枠組みを形成していくことが必要」と提言している。
     
 経産省の調査では、大学生の61%が「企業の採用基準が明確でない」と回答しているのに、企業側は73%が「求める人材像は伝わっている」と回答しており、両者にはギャップがある。これについても、研究会は「企業と若者が社会人基礎力の枠組みを共有し、それを土台にして相互に『求める人材像』と『自分の強み』を発信しあうことが重要」と指摘している。

 また企業に対し、社会人基礎力をベースに採用から人材育成までを一貫した方針で取り組み、採用段階でも若者と十分なコミュニケーションをとるよう提案。就職活動が早期化し、企業と学生との接触機会や期間が縮小していることから、紹介予定派遣制度などにより接触の機会や期間を増やして、ミスマッチを少なくすることも促している。

 大学に対しても、正課の授業で社会人基礎力の観点から取り組みを行うことや、インターンシップやプロジェクト型授業など産学連携の促進を求めている。

 同省は提言を踏まえ、産業構造審議会新成長政策部会で審議中の「新経済成長戦略」で産学連携の推進方策などを検討する予定だ。

 同省産業人材参事官室の能村幸輝課長補佐は、「職場などが必要としている能力を分かりやすく示すことが必要と考え、議論していただいた。若者は資格などを重視する傾向が強いが、企業のマインドは基礎学力・専門知識と社会人基礎力の両方を見ていこうということ。欧米でも近年、社会人基礎力と共通する部分が多い『ソフトスキル』が重視されている」と話している。

(2006年2月14日 読売新聞)
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by miya-neta | 2006-02-14 08:24 | 政 治