二重天下り、農水次官「問題にすることではない」
2006年 03月 15日
2006年03月15日19時03分
農林水産省のキャリア幹部OBが二つの関連団体のトップに天下り、双方から報酬を得ていることについて、石原葵(まもる)・農水事務次官は「問題にすることではない」として、今後も「二重天下り」を認める考えだ。石原次官は「(一方の団体からは)日額で手当をされており、適切な処理だ」としている。
現在、二重天下りをしているのは前水産庁長官で、農水省から補助金を得ている財団法人「全国米穀取引・価格形成センター(コメ価格センター)」と、農協系シンクタンク「農協共済総合研究所」のトップを兼ねている。
コメ価格センターの会長の報酬は日当で、1日出勤すると3万円が支払われるという。農水省関係者は「農協共済総研からの報酬と合わせて年収が約2000万円になるよう、コメ価格センターに出勤すべき日数を逆算して決めている」と明かす。
13日の定例記者会見で石原次官は「コメ価格センターでは生産者と実需者の利害が対立する」と指摘、調整役は監督官庁OBにしかできないとの考えを強調した。