「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

「バスク祖国と自由」一方的恒久停戦、発効 スペイン首相、夏までに交渉準備も

Sankei Web 産経朝刊(03/26 05:00)


平成18(2006)年3月26日[日]

「和平」前向き

 【パリ=山口昌子】スペインのバスク地方の分離独立を求める非合法組織「バスク祖国と自由」(ETA)が一方的に宣言した「恒久的停戦」が二十四日発効した。スペインのサパテロ首相は同日、停戦を受けて視野に入ってきた和平プロセスについて「厳しく長期間にわたるだろう」としながらも、「条件が満たされれば、夏までに交渉開始を議会に諮りたい」と前向きな姿勢を示した。

 ETAは過去に「不定期の休戦」との表現を使用したことはあったが、「恒久的停戦」を表明したのは初めて。英領北アイルランドの分離独立を目指す過激派アイルランド共和軍(IRA)が和平交渉に応じた際に使った表現だけに、欧州では、ETAも今回は本気なのではないかと期待する声が出ている。

 ETAの宣言文は、和平の二大原則として「バスク人による自決権」と「大バスク国の承認」を挙げているが、ETAが過去に用いていたバスク地方の「独立」という言葉は見当たらない。

 これに代わって登場した「自治権」に関しても、「和平プロセスの最後に、バスク市民は将来に関する決定権を持つべきだ」とし、「自治権問題」に関しては、バスク市民自身が決めるべきだとして住民投票の実施を求める姿勢を示唆し、ETAはその結果を尊重するとしている。サパテロ首相が「自治権」を認めないとの姿勢を示していることに配慮し、住民投票の可能性を持ち出したともみられる。

 さらに今回は、ETAが過去には必ず要求していたスペイン、フランス両国で収監されているETA活動家の釈放にも言及しておらず、その点でも譲歩がみられる。

 ただ、「大バスク」については、スペイン北部バスク地方のナバーラ、ユスカディと、国境を接するフランスのバスク地方が含まれており、スペイン政府はもとよりフランス側がこの条件を認めることは「ありえない」(仏外交筋)のが実情だ。

 サパテロ首相は、ETAと交渉に入るには野党・国民党との合意が必要との認識を示しており、ラホイ国民党党首と会談することになっている。

 ラホイ党首は政府支持の条件として、「ETA指導者にいかなる政治的な報酬も与えるべきではない」としており、停戦中も引き続きテロへの警戒を怠るべきではないとの態度を示している。

 ETAは、昨年五月にサパテロ政権がETAの暴力放棄を対話開始の条件とするとの決議を議会で採択したのを受け、同年六月、政治家を標的とした暗殺停止を宣言。最高幹部ミケル・アルビス・イルアルテ氏ら十七人が昨年十月にフランスで逮捕され、急速に求心力を失っているとされることから、「恒久的停戦以外に選択肢がない」(仏外交筋)との見方もある。

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【用語解説】バスク分離独立運動

 バスク地方はスペイン北東部とフランス南西部にまたがり独自の言語、文化圏をつくっている。1890年代ごろから民族意識が高揚。スペインのフランコ独裁政権の弾圧に対抗するため、1959年に非合法武装組織「バスク祖国と自由」ETAが組織された。68年からテロ活動を活発化させ、73年にブランコ首相を暗殺するなど、これまでに800人以上の犠牲者を出した。
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by miya-neta | 2006-03-26 05:00 | 国 際