「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

働く:均等法20年 私の視点/3 ピーチ・ジョン社長、野口美佳さん

家庭:MSN毎日インタラクティブ


b0067585_10213367.jpg ◇「私」より「全体」見る目を

 《男女雇用機会均等法が施行された86年、通販会社で働き始めた。21歳だった》

 --働き始めたころと今は、女性の働き方は変わったでしょうか。

 かつて、女性は結婚を意識しながら職業のことを考えていたのではないでしょうか。でも今は「適齢期」という言葉は死語。女性が働き、お金を稼ぐことは当たり前です。「食べさせてあげる」という男性は少なくなり、「食べさせてほしい」と思っている女性も自立しなくちゃいけないわけです。

 《会社設立から12年。“女性が考えた、女性が欲しいランジェリー”は若い女性の支持を得た。同社の通販カタログ「PJ」は発行部数250万部、直営店は全国に19店ある》

 --女性で損をしたことはありますか。

 得しかしていません。男性社会は縦社会で、学歴、キャリアなどで序列ができる。私はそんな縦社会は無関係で、30歳以上も年上の経営者と普通に話したり、助言をもらうことができます。でも、先日、起業家セミナーで、若い女性から「お子さんがいるそうですが、仕事と家庭との両立は?」との質問を受けました。男性経営者に「奥さんとお子さんがいるそうですが、両立は?」なんて聞くでしょうか? まだ、女性が女性に対してそんな質問をする時代です。

 私は仕事をしたいからして、子どもも欲しいから産んだ。望んでやりたいのだから、両方やるしかありません。もちろん、皆が両方やる必要はなく、「家庭を守るから働かない」という女性がいてもいいし、仕事一筋で「子どもは産まない」という女性がいてもいい。「すべてをこなすすてきな女性」というのは、(家事や育児を女性に任せたい)男性側の理想像かもしれませんよ。

 《社員140人のうち、9割が女性。社員には、女性であることを楽しんで仕事をしてほしいと思っている》

 --女性が男性社会で生きていくのは大変でしょうか。

 男性と女性のそもそもの違いは「時間」ではないでしょうか。男性が職業人として恵まれているのは時間があるからです。女性は家事や育児のほかにも化粧や身支度など時間がたくさん必要です。時間がある男性は仕事に傾けられるエネルギーも大きいので、労働力としてみた場合、男性のほうが質が高くなる。同じ賃金を払うなら、雇う側は質が高いほうを求めます。もともとアンフェアなんです。

 女性が男性と同じ土俵で競争したいなら、自分にかける時間を削ってでも仕事に費やせばいい。男性社会でキャリアを積み、出世を望むなら、時間がないことを言い訳にしてはダメです。

 --女性の働く姿勢は今後、どう変わっていくのでしょうか。

 これまで女性は主に、どうしたら「私が」楽しいか、「私が」輝けるか、といった「私」ばかりを意識して働いてきたように思います。これからは、「私」ではなく会社、業界全体、そして社会全体といった具合に、常に視野を広く持ち、俯瞰(ふかん)して物事を見ることが大切でしょう。私たちの世代の「働くDNA」を受け継いでいけば、もう20年後には、女性たちの働くことに対する意識がさらに向上しているはずです。【聞き手・銅山智子、写真・米田堅持】

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 ◇管理職の女性

 雇用されている女性は2229万人で、全雇用者の4割以上を占める(05年、労働力調査)。だが、その中で管理職に就く女性は、まだ少ない。

 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」によると、労働者数100人以上の企業で、役職者に占める女性の割合は、均等法施行前の1985年は、係長相当が3.9%、課長相当1.6%。部長相当は1.0%に過ぎなかった。

 均等法施行後、その割合は、わずかな増減を繰り返しながらも全体的には増加傾向にある。04年には部長2.7%、課長5.0%、係長は11.0%。ようやく係長の10人に1人、課長の20人に1人が女性になった。一方、帝国データバンクによると、女性社長の数は6万7957人(04年)。全体に占める割合は5.64%。

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 ■人物略歴

 ◇のぐち・みか

 1965年生まれ。高校卒業後、デザイン事務所勤務などを経て94年、女性下着の通信販売会社「ピーチ・ジョン」を設立。3男1女の母。著書に「男前経営論」など。

毎日新聞 2006年4月1日 東京朝刊
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by miya-neta | 2006-04-01 07:23 | 女 性