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「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

代替医療に走る人たち~背景に医師への不満

U.S. FrontLine


更新2006年04月05日 20:03米国東部時間

 正統的な医療に対して不満を持ち、その代替となる医療(alternative remedies)を受ける米国人の数が増えている。

 政府の統計によると、代替医療に費やされる金額は、年間270億ドル以上に達する。風邪をひいたときにハーブの「エキナシア」を取る人から、がん治療の最後の望みを民間療法に賭ける人まで、数百万の米国人が正統的な医療を離れ、代替医療に歩を進めていく。2004年には国民の48%が何らかの代替医療を試みている。10年前に比べると6%の増加だ。

 例えば、ロスでウェブ・コンサルティング企業を経営するシャーリーン・ソロモン氏(56)は、旅客機に乗る直前、ヒナギクやカミツレなど数種類のハーブが含まれた錠剤を必ず口にする。

 ソロモン氏は、これらの錠剤が、広告通りに本当に時差ぼけに効くかどうかは確認できないと言う。効果があると実証した専門家はおらず、医者の大半が金の無駄遣いとして彼女をばかにするだろうことも承知している。しかし同氏は、錠剤は絶対に効くのだと信じている。自分が多少、暗示にかかっていることも分かっているという。

 「健康に気を配るだけで身体に効果があると私は信じているの。飛行機に乗る前にハーブを取るのも同じこと」とソロモン氏は言う。「健康維持に関しては、まだまだ知られていないことが多いわ。少しでも効果がありそうなら、何でもやってみたい」

 代替医療について効果を実証した研究は、たとえあっても数少ないということを彼女たちは気にしていないように見える。代替医療を行う治療者の多くが、正規の医学教育をほとんど受けていないことも、またビタミン剤やハーブ剤を作る会社が、製薬会社と同様に、利潤を追求する組織であることも気にしていないようだ。

 正統的な医療を離れて代替医療に向かう背景には、ある種の失望があると専門家は話す。誤診、副作用の強い薬剤、手術の失敗、そして、医者の高慢な態度。これらを経験した患者は、自分という存在全体がしっかりケアされることを求めて、代替医療に手を伸ばすのだ。(ニューヨーク・タイムズ特約)
by miya-neta | 2006-04-07 14:35 | 科学/技術