生理なんかもういや~ピルで月経避ける女性が増加
2006年 05月 23日
更新2006年05月23日 20:22米国東部時間
月経を避けるために経口避妊薬(ピル)やホルモン放出型の避妊具を使う女性が、若い世代や閉経期にさしかかった年代で増えている。毎月の生理現象をわずらわしいと考える女性が増えたためで、医療関係者も、月経をホルモン剤で抑え込むことの危険は低いとみている。
AP通信によると、ピルの場合、月経の回数を年4回にまで減らすバール・ファーマスーティカル製「シーズナル」にすでに食品医薬品局(FDA)の販売認可が下りており、1年間継続して服用することで月経回数をゼロにするワイス製「ライブレル」には、6月末にもFDA認可が下りる見込み。ほかにも多くの製薬会社が同様のピルを開発中だという。
現在のピルは、40年以上前のものと比べるとエストロジェンとプロジェスティン(いずれも女性ホルモン)の含有量がはるかに少ないが、心臓病、脳梗塞、血栓のリスク要因になる。また原因不明の不正出血や特定のがん患者、35歳以上の喫煙者は服用すべきではない。
しかしピルには、卵巣がんや子宮内膜線がん、骨粗しょう症や骨盤感染症を防ぐという利点もある。またピルで月経を抑制すると、月経前の不快な症状や貧血、頭痛を避けられる。
月経をなくすという発想は、2003年のシーズナル発売によって一気に広まった。3カ月おきに月経のための非服用期間を作り、月経を年4回にするシーズナブルの昨年の売り上げは、前年比62%増の1億1000万ドルだった。
さらに年4回からゼロにするという考えが生まれても不思議はない。ファイザーの「ディポ・プロベラ」は、プロジェスチンのみの避妊注射で効果が3カ月間持続し、1、2年注射を受けると生理がなくなる。しかし骨粗しょう症のリスクが高まる。
この6月には、オルガノンUSAがすでに欧州で10年の販売実績を持つ皮下埋め込み型避妊剤「インプラノン」について、国内販売を認めるかどうかが判断される見通しだ。
月経抑制ピル市場で首位を目指すバールは昨年11月、月経を止める子宮内挿入剤メーカー、パラガードを買収した。バールの新製品「シーゾニク」(シーゾナルの後継品)は、今週末に認可が下りる見込みだ。