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「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

したたか村上流、誘ってあおって裏切って LD幹部手玉

asahi.com:村上ファンド事件


2006年06月09日15時06分

 村上ファンド前代表・村上世彰容疑者(46)が逮捕されたことで、ニッポン放送株買い集めをめぐる舞台裏が次々明らかになってきた。朝日新聞の取材に応じたライブドア(LD)関係者の詳細な証言から取引の節目をたどると、若いLD経営陣を取引に誘い、あおり、土壇場で手を引いた村上前代表の老練さがくっきり浮かぶ。

 ●04年11月8日

 東京・六本木ヒルズの38階からエレベーターで20階へ。LD前社長の堀江貴文被告(33)ら幹部が、村上前代表の経営する「M&Aコンサルティング」を訪ね、会議室に座った。

 「ニッポン放送、いいですねえ。経営権、取得できたらいいですねー」と堀江前社長が切り出した。「(ニッポン放送株の)3分の1が取れれば、うちのと合わせて、フジテレビを取れるぞ」と2カ月前、村上前代表に教えられた。この日はLD側が会談を申し入れた。村上前代表は資料を準備して会議に臨んだ。

 〈N社について〉

 ページをめくると、ニッポン放送を含むフジサンケイグループの資本構成が網羅されていた。村上前代表は同放送の株主名簿も示し、「この投資家とこの投資家は売る。そうすればフジが手に入るんだ」と言った。

 冗舌な解説。堀江前社長は「村上さん以外の投資家の株はどのくらい買えそうですか」などと教えを請うた。

 LD側は、同放送の3分の1の株を買うには約600億円が必要という試算も披露し、前向きな姿勢をアピールした。

 「大量に一気に獲得するなら、時間外取引もあるよ」。村上前代表がそう指南した。「お金の準備は大丈夫ですか」と念を押した。

 《村上前代表側の反論=堀江前社長が語ったのはあくまで夢の話。金銭面でできるはずがないと思っていた。資料を使った説明はLD以外の他社にもしていた》

 ●05年1月6日

 2カ月ぶりの会議だ。堀江前社長はいっそう前のめりになっていた。

 「TOB(公開買い付け)をしたとしたら、協力してくれますか」と確かめると、村上前代表は否定しない。LD側関係者は「いける」「応じてくれる」と踏んだ。

 別れ際、当時取締役だった宮内亮治被告(38)が頭を下げた。「今後もよろしくお願いします」

 宮内前取締役は前年暮れ、村上前代表のオフィスに呼ばれた。「おまえら、全然、株買ってないじゃないか!」。叫ぶ村上前代表に「そう簡単じゃない」と釈明するのが精いっぱいだった。

 《村上前代表側=真剣な話なら、同じヒルズの中にいて会議の間隔が2カ月もあく、ということはなかったはず。LDが本気で大量取得するとは到底思えなかった》

 ●05年2月8日

 午前8時台の時間外取引。村上前代表に指南された方法で、LDは発行済み株式の29.6%を入手した。保有分とあわせ合計35%だ。目標にたどりついた。

 2日後の2月10日、LDの登場で同放送株は最高値8800円を記録した。村上前代表から堀江前社長に電話があった。

 「すまんが、残りは市場で売るから」

 LD幹部は耳を疑った。売るのはごく一部で、大半の株は持ち続ける約束だった。村上ファンドが最後に売りに回ったのはLDの誰にとっても「想定外」だった。

 LD元幹部たちは今、当時の衝撃や落胆をこう振りかえる。「こっちの会社の浮沈がかかった案件だったのに、平気でうそをつかれた」「いや、やはりだまされる方がバカだった」

 《村上前代表側=LDを裏切ったとは思っていない。方針というものは変わるもの。安ければ買う、高ければ売る。プロフィット・マキシマム(最大利益)を考えることこそ、ファンドを預かる者の仕事だから》
by miya-neta | 2006-06-09 15:06 | 経 済