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「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

奈良医師宅全焼:高1長男が容疑認める 動機は恨み?

事件:MSN毎日インタラクティブ


 奈良県田原本町で母子3人が亡くなった民家火災が22日、殺人・放火事件に発展した。県警に逮捕された高校1年の長男(16)は殺人と現住建造物等放火の容疑を認め、父親への不満などを話し始めているという。一方で、長男は京都市の民家に入り込んで家人に発見されたことには、「(ワールドカップの)サッカーのテレビ番組を見ているうちに寝込んでしまった」と保護された京都府警下鴨署で話していた。16歳の心に何が起きたのか。悲報に沈んでいた県中部の住宅街に、困惑と衝撃が広がった。

 任意同行された下鴨署で長男は偽名を名乗ったが、すぐに住所や親の名前を口にした。午前10時過ぎ、出されたパン二つと牛乳を残さず食べ、午後1時過ぎには弁当を半分ほど口にした。

 火災から2日間、何をしていたかは不明だが、署員に保護された時、少年は登山靴のような靴に、手提げかばんと野球帽を持ち、赤色Tシャツに黒い短パン姿。中には歯ブラシやティッシュペーパーが入っていたが、財布はなく、所持金はゼロ。携帯電話もなかった。

 発見された民家は高野川に近い、叡山電鉄修学院駅北側の閑静な住宅街にある。近くのマンションの主婦(65)は2階の自室から、警察官に職務質問を受ける長男を目撃。「パトカーが止まっていたので自転車泥棒かと思って外を見たら、色白でポチャッとした子が自転車を降りて、警察官に何か聞かれていた。顔は真っ青で、顔の左半分はすすっぽく黒く汚れていた。1時間近くも、パトカーの中で話を聞かれていたようだ。おとなしくて優しそうな子に見えた。ショックです」と話していた。

 自転車は盗んだものだったが、民家に侵入する時は靴をきちんとそろえて置いていた。下鴨署に来た直後は動揺した様子だったが、聞かれたことには素直に応じたという。

 ◇長男の人となり

 長男は奈良県田原本町内の小学校を卒業し、奈良市内の中高一貫教育の有名私立中学に入学。中学から剣道部に所属し、二段の腕前だった。高校の説明では、目立たない生徒だったが、性格は明るくまじめだったといい、成績は学年で真ん中ぐらいだった。

 小学校で同級生だった少年(15)によると、長男は医師の父にあこがれ、「本人も『将来は医者になりたい』とよく口にしていた」という。また、中学進学が決まった後、自宅での焼き肉パーティーに招かれたといい、「パーティーは一番の思い出。友達と別れるのが寂しかったのだろうか」などと話した。

 幼稚園と小学校で同級生だった少年(15)は、長男の印象を「小学校時代はとにかく受験勉強に必死だった」と語る。週に4、5日は通っていたという学習塾では、小学4年時に5年生のクラスで勉強していたという。

 長男が学校帰りによく立ち寄っていた自宅近くの書店の女性店員は「いつも『おばちゃん!』と声を掛けてくれる明るい子だった。最近はベストセラーの『ハリー・ポッター』に夢中で、全巻をそろえていた」と話した。しかし、数日前に最後に顔を見た時は「珍しくうつむき加減で店内に入ってきた」といい、普段と違う様子が気になっていたという。【黒岩揺光、曽根田和久】

 長男が通う高校では、校長が午後6時過ぎから会見。逮捕について、「私どもには考えられない事態。本人が率直に本当のことを話して全容が明らかになることを期待したい」と話した。「中学1、2年のころは母に反抗したこともあったが、中学3年からは仲良くやっていると聞いていた」と話し、「高1になって医学部志望に少し迷いが出たと担任は感じていたようだ」と述べた。

 同校はこの日、6時限目終了後、全校放送で事件について説明。23日朝には中学、高校合同の全校集会を開き、長男の逮捕について話をするといい、今後、動揺の激しい生徒については、カウンセリングの機会を設けるという。

 長男は自宅から歩いて十数分の距離にある祖父母宅を1人でよく訪れていたという。近所の50歳代の男性は「中学のころまではよく見かけた。足の不自由な祖母の代わりに、回覧板を近所に回していた。もの静かで頭の良さそうな子だったが、こんなことを起こすなんて」と驚いていた。

 父親と自分の息子が小学校の同級生だったという70歳代の女性は「円満そうな家庭に見えたが、他人にはうかがえない事情があるのだろうか。祖父母と顔を合わせた時に何と言葉をかけたらいいのだろうか」と、言葉少なだった。

 ◇小学卒業文集に将来の夢…医者 

 長男は小学校の卒業文集に「将来の夢…医者」というタイトルの文章を寄せている。

 医者を志す理由を、医師である父の「かっこいい姿」、患者からの「ありがとうございました」という感謝の言葉、世界で病気に苦しむ人を助けたいことと順番に書き、「努力をして夢をかなえたい」と結んでいる。手術をする父親の写真について「とてもかっこよく見える」との記述もみえる。

 当時の同級生は「医者になりたい」と口癖のように話していたことをよく覚えており、週4、5日、夜遅くまで学習塾に通っていたという。

 小学校時代、宿題を手伝ってもらったという女子生徒(15)は「やさしい子だった」。別の女子生徒も「感情をめったに表に出さず、人に悩みを打ち明けるタイプではないので、何かストレスとかたまっていたのかもしれない」と話した。

毎日新聞 2006年6月22日 21時41分 (最終更新時間 6月22日 21時56分)
by miya-neta | 2006-06-22 21:41 | 社 会