逮捕の高1「父に頭が悪いと言われた」
2005年 06月 22日
東京都板橋区の建設会社社員寮で20日、爆発があり、管理人夫婦が殺害されているのが見つかった事件で、警視庁は22日、所在が分からなくなっていた高校1年の長男(15)を群馬県草津町の温泉旅館で発見し、殺人容疑で逮捕した。
長男は調べに「おれが殺した」と両親殺害を認め「事件の前日、父親に『おれより頭が悪い』と言われ、頭を押さえ付けられた。寮の仕事で休みまでこき使われた。母親はハードな仕事をしていてかわいそう。いつも死にたいと言っていたので殺した。反省している」と話しているという。
通っている高校の校長によると、長男は親と確執があり、大型連休前に「親が厳しく冷たくなった。殺そうと思った」と知人に話したという。
警視庁捜査一課は高島平署に捜査本部を設置し、長男を移送。事件の経緯や動機などの解明を急いでいる。
調べでは、長男は20日、社員寮の1階管理人室で、父親(44)の頭を鈍器で殴って首など数カ所を包丁で刺し、母親(42)の胸なども数10カ所刺して2人を殺害した疑い。寝ていた父親を昼ごろ殺害し、後から部屋に来た母親を道連れにしたとみられる。
さらに調理用の電熱器にタイマーを取り付けた時限発火装置を仕掛けるなどした上、管理人室にガスを充満させ、同日午後4時40分ごろ、爆発させたとされる。
長男は20日午後、JR池袋駅から上野駅に出て北関東で1泊。21日、草津に到着。途中で公衆電話から友人らに連絡していた。
212日正午すぎ「田島真」の偽名で旅館にチェックインし、台帳に自宅の所在地を記入した。従業員がニュースで事件に気付き、地元の交番に通報。22日午前7時半ごろ、捜査員が身柄を確保した。
現金約3万円のほか、リュックサックに刃こぼれした包丁1本、10万円の預金がある口座のキャッシュカード、ゲームソフトなどを入れていた。
血の付いた包丁が現場台所の包丁入れにあったことから、凶器に包丁2本を使い、1本を元に戻したとみられる。
長男は夫婦と3人暮らし。現場から血の付いた長男のTシャツなどが見つかったことなどから、警視庁が行方を捜していた。草津町に行ってのは「温泉に入りたかった」と説明しているという。
長男は中学3年だった昨年12月、廃屋に入り込むなどして父親らが学校に呼び出された。校長によると、親との確執はこのころからという。
長男は17日に予定されていた親子、教師の3者面談の延期を申し入れ、事件翌日の21日に変更されていた。
[ 2005年06月22日 13:38 速報記事 ]