「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

狙い通り?北朝鮮の主張に沿う内容に 金英男さん会見

asahi.com:社会


2006年06月29日20時35分

 金英男(キム・ヨンナム)さんは29日の記者会見で、自身や横田めぐみさんの拉致の経緯、ヘギョンさんとの関係など、関心を集める点をほぼ網羅し、予想通り北朝鮮の主張に沿った内容に終始した。南北関係筋は会見について「肉親との再会を果たした本人の言葉は見る人をそれなりに引き込む。北朝鮮はそこまで計算したはずだ」と指摘する。

 記者会見は、英男さんが母の崔桂月(チェ・ゲウォル)さんと再会した28日に、会場の北朝鮮・金剛山で北朝鮮当局者から韓国代表記者団に急に言い渡された。今回の再会を自ら「離散家族再会の一環」と位置づけている北朝鮮が、一家族にだけ記者会見を設定するのは極めて異例だ。この機会を利用して、日本に向けて北朝鮮側の反発を訴え、韓国に対しては民族共助の精神に訴えようとした。「情」を利用して日韓の分断を図ったとも言える。

 北朝鮮当局は韓国取材団に事前に質問を提出するように要求し、英男さんの答えもよどみなかった。冒頭でまず「家族が会えるようにしてくれた南北関係者に感謝する」と語った。昔のことを語る時、満面の笑みで公園の地名を挙げたり、「故郷を思わない人がどこにいますか」と韓国人記者に呼びかけたりし、いつか故郷の全羅道を訪ねたいと述べた。

 一方で、拉致問題になると口ぶりは一転し、めぐみさんの死亡の真偽や遺骨問題について「偽物という日本人の主張は、つたなく幼稚」「私やめぐみに対する侮辱、愚弄(ぐろう)、人権蹂躙(じゅうりん)だ」「どうして生きている人を死んだといえるのか」と口を極めて非難した。

 「拉致の否定」と「北朝鮮での暮らしのすばらしさ」についてもよどみなく答えた。自身の北朝鮮入りについては「皆さんの関心が高いことは知っている」と前置きし、小舟で漂流した時に北朝鮮の船に救助されたと説明。「党の胸に抱かれてとても幸せに暮らしてきた」と述べ、家族一人ひとりについて「妻は党学校に通っている」「義理の父は平壌市人民委員会副委員長」と豊かさを強調した。

 韓国の拉致被害者が、公式の場では「自分の意思で来た」と語って事件性を否定することはむしろ普通だ。

 韓国の拉致被害者は、漁民を中心に500人近くに上る。英男さんと同じ高校生当時に拉致された人も5人いる。韓国政府は南北閣僚級会談などを通じて送還を要求しているが、1人の解放・送還も実現していない。

 当初は英男さんは最初の送還ケースになるのでは、と期待の声もあったが、肉親との28年ぶりの対面という感激の光景と英男さんの「独演」だけを残して、核心的な課題は先送りになりそうだ。
[PR]
by miya-neta | 2006-06-29 20:35 | 国 際