「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

【正論】竹内久美子 少子化対策に事実婚の制度的認知も

イザ!:コラむニュース


2006/07/30 07:41

無視できぬ生活スタイルの変化

≪婚外子率と出生率の相関≫
 先ごろ、日本は世界一、子供(15歳未満)が少なく、お年寄り(65歳以上)が多い国であると発表された。
 世界一の長寿を誇り、出生率も1・25(2005年)という低さであれば、当然の結果だろう。
 長寿の方はむろんめでたいことだが、問題は出生率の方である。出生率を上げる何かいい方法はないものか…。

 いわゆる先進国の中でも北欧諸国などは出生率が高い。その原因は、たとえばこんなふうに説明されている。
 それは、かの国々が福祉国家であり、出産費用が無料、両親ともに与えられる十分な育児休暇、教育費が無料であるなど子育てのためのさまざまな制度が整っているからだ…。
 確かにそのような要素もあるだろう。しかし人は、出産費用がただであるとか、育児休暇がとれる、といった遠い将来を見越して行動するというよりは、すぐ目の前の魅力に飛びついてしまうものではないだろうか。

 ともかく、まず、次の表をごらんいただきたい。
 『ヨーロッパ統計年鑑2002』(猪口孝監訳、東洋書林。猪口孝氏は、奇しくも猪口邦子少子化・男女共同参画担当大臣の夫である)を元に、婚外子の割合の高い国順に、出生率も示したものである(データは1999年、または2000年)。
 婚外子の割合(%) 出生率 
アイスランド 65  2・08
スウェーデン 55  1・54
ノルウェー  50  1・85
デンマーク  45  1・74
フランス   42  1・77
イギリス   40  1・64
(この間に、フィンランド、アイルランド、オーストリア、オランダが続くが、略す)
ドイツ    23  1・34
ルクセンブルク22  1・78
ポルトガル  22  1・54
ベルギー   20  1・61
スペイン   14  1・20
スイス    11  1・50
イタリア    9  1・23
ギリシャ    4  1・30
 婚外子の割合の大きさに驚かれた方もあるかもしれないが、とにかく出生率と婚外子の割合とがかなり対応している。
 もしかして先進国で出生率に一番関係するのは、婚外子の割合ではないだろうか。

≪実体に制度合わせる欧州≫
 ただし、ここが肝心な点なのだが、この婚外子というのは、女がいわゆる未婚の母であり、一人で仕事にも、子育てにも奮闘するとか、裕福な男の愛人となって、ひっそりと子を育てる、などというタイプのものではないことである。

 北欧諸国、イギリス、フランスなどでは男と女が正式に結婚せず、一緒に暮らし、子ができてもまだ正式に結婚しないというライフスタイルが定着してきている。
 それというのも正式な結婚をしなくても、税金や財産の相続について、正式な結婚の場合とあまり変わりがないように法律が改正されてきたからこそなのである。

 スウェーデンでは1960年代後半に、カップルが共働きの場合、結婚しない方が税金が少なくてすむという事情から同棲(どうせい)カップルが激増した。そのために法律の方が改正され、71年には婚外子にも婚内子と同様の相続権が与えられるようになった。
 フランスでも70年代ごろから何度も法律の改正が進み、同棲カップルが「内縁関係証明書」を役所に提出すれば、税金も子の養育についても正式な結婚の場合とほとんど違わない待遇が受けられるようになったのである(ちなみに同性愛者どうしの結婚をフォローするために当時つくられた法律を、異性愛のカップルが利用するという一幕もあった)。

≪しがらみなき出産に魅力≫
 正式な結婚となると、互いの親や親戚(しんせき)ともつきあわなければならない。いや、そもそも結婚前の段階に「こういう嫁は困る」「こんな甲斐(かい)性のない男に娘はやれぬ」などといった障害が立ちはだかってしまう。結果、結婚は遅れ、子も1人くらいしかつくれない…。

 ところが、そういうしがらみなしで、せいぜい「内縁関係証明書」を提出するだけでいい。子が生まれても、正式な結婚によって生まれた子とそう待遇が違わない。
 となれば、女は随分気楽に子が産める。女がこの目の前の魅力に飛びついたとしても不思議はない。日本にもこんな法律が一刻も早くできることを望みたい。

 ちなみに、この原稿を書いた後で、フランスでは事実婚が認められたことが出生率アップの切り札となったとの雑誌記事を目にした。やはり、そうだったのだ。(たけうち くみこ=動物行動学研究家)
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by miya-neta | 2006-07-30 07:41 | 女 性