「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

私たちの体と心:均等法20年/3 女性に多い自己免疫疾患

女と男:MSN毎日インタラクティブ



 ◇企業健診に性差医療を

 口の中がねばねばして話しづらい、仕事中に口臭が気になって相手とうまく話せない--。群馬県で介護ヘルパーをしているアスカさん(42)が異変を感じたのは2年前のこと。うがいをすると、口の中からどろっとした粘膜のようなものが出た。特に利用者とのトラブルや上司からの叱責(しっせき)など、ストレスを感じると乾きはひどくなった。

 歯科医に膠原(こうげん)病の一種、シェーグレン症候群と診断された。口の渇きは症状の一つ。うがい薬とジェルを処方してもらうと、症状は軽くなった。

 職場の人には病気のことは話していない。「何とか通常の生活が送れるようになった。あの時、病院に行っていなかったら仕事は続けられなかったかも……。リウマチなどに進行する可能性が残っているのが不安だが、病気に気づいてよかった」

 「つっかえないで話ができるようになったんだ」「顔が違う。整形したの?」。橋本病と診断され、3週間の入院治療後に職場復帰した埼玉県川越市のリフレクソロジスト、橋本朝美さん(28)は、同僚に驚かれた。橋本病は甲状腺疾患の一つ。たしかに入院前は、目がはれぼったく、視界がさえぎられていた。話し方はたどたどしく、速足で歩くと息切れがした。病気によるものだと考えたこともなかった。

 病気に気づいたのは、会社の健康診断がきっかけだった。肝機能低下で治療を必要とする結果が出たため、病院で診察を受け甲状腺疾患だと分かった。

  ○  ●  ○

 膠原病も甲状腺疾患も「自己免疫疾患」だ。本来、免疫は異物から自分の体を守るために抗体を作る。ところがその免疫が、体内の正常な細胞に対しても抗体を作り、自分の体を攻撃してしまう病気だ。圧倒的に女性に多いといわれている=表参照。女性ホルモンが関係しているといわれるが、正確な原因は不明だ。

 「膠原病や甲状腺疾患が女性に多いことは明らか。企業は、健康診断にこれらの項目を取り入れるなど、性差医療にもっと目をむけてほしい」と、ウィミンズ・ウェルネス銀座クリニック(東京都中央区)の対馬ルリ子院長は話す。

 男女では身体的特徴やかかりやすい疾病が異なり、薬剤の効果も違いが出ることがある。こうした性差に配慮した医学・医療は、米国では1990年代から取り入れられ始め日本でもここ10年の間に広まっている。たとえば、片頭痛を訴える女性は男性の約2・5倍。同じ肺がんでも、女性は末端に腫瘍(しゅよう)ができ発見が遅れることが多い。コレステロールの正常値は男性が基準だが、更年期の女性は卵巣の働きが弱るため、本来は上限が男性より上がる。

 また、女性は年代によりホルモンの増減が大きい。性感染症、子宮内膜症、乳がん、子宮がん、心血管疾患など、年代により注意すべき疾病も変わってくる。

  ○  ●  ○

 徐々に定着してきた性差医療だが、企業の健康診断までは及んでいないのが現状だ。大半の企業で、検診項目は血圧や聴力、心電図、胸部エックス線など。女性特有の疾病は「対象外」がほとんどだ。甲状腺異常も血液検査で簡単に分かる。だが、前出の橋本さんの場合、血液検査のチェック項目に含まれておらず、病院で精密検査を行い、ようやく判明した。乳がんも、定期検診で早期発見できれば、死亡者は減少するはずだ。

 対馬さんは「男性中心の企業健診はそろそろ見直す時期にきている。女性が長く健康で働くことが企業のメリットにもつながる」と話す。(文中、カタカナ名は仮名)=次回は10日に掲載します

==============

●膠原病の男女比    男:女

悪性関節リウマチ    1:2
全身性エリテマトーデス 1:9
強皮症         1:9
シェーグレン症候群   1:14

 (財団法人難病医学研究財団・難病情報センターホームページより)

●甲状腺疾患の男女比

バセドウ病       1:4
橋本病         3:47

 (甲状腺疾患専門病院「金地病院」資料より)

==============

 この企画へのご意見、ご感想は〒100-8051(住所不要)毎日新聞生活家庭部「私たちの体と心」。メールは件名を「私たちの体と心」としt.seikatsu@mbx.mainichi.co.jpへ。

毎日新聞 2006年8月4日 東京朝刊
[PR]
by miya-neta | 2006-08-04 07:42 | 女 性