「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

英航空機テロ未遂:国際社会への脅威、改めて見せつける

photoジャーナル:MSN毎日インタラクティブ


 英国で10日、航空機の同時爆破テロ未遂事件が摘発され、ロンドンのヒースロー国際空港は大混乱に陥った。事件の全容は未解明だが、国際社会がテロの脅威にさらされている現実を改めて見せつけたといえる。推測される犯人像や、テロ取り締まりの現状、バカンスシーズンを直撃した今回の事件の市民への影響を探った。【ロンドン小松浩、藤好陽太郎】

 今回のテロ計画の容疑者グループの全容は明らかになっていない。しかし、米国のチャートフ国土安全保障長官が指摘したように、国際テロ組織アルカイダが直接関与したとの見方が出ている。特に20人を超える規模の容疑者など犯行計画の大掛かりさを考慮すると、長い時間をかけて準備されていた可能性がある。01年9月の米同時多発テロ直後、欧州から米国へ向かう航空機の爆破を計画したとして英国人容疑者2人が逮捕されたが、いずれもアルカイダとの関係が指摘されている。

 ◇米英の外交姿勢への不満動機の公算

 一方、昨年7月のロンドン同時爆破テロのように、英国生まれのイスラム系の若者がイラク戦争で反英米意識を強め、独自に犯行計画を練っていたとも考えられる。特に英国から米国に向かう航空機が標的になったとみられることから、米英の外交姿勢への不満が動機になった公算は大きい。イラクやアフガニスタン情勢の泥沼化、イスラエルによるレバノン攻撃強化など最近の中東情勢を巡る米英批判はむしろ強まっており、テロの脅威が今後、さらに高まることも予想される。

 英国ではアルカイダなどに影響されてテロを実行する可能性がある人物が「潜在的に1200人はいる」(キングズカレッジ防衛研究センターのピーター・ニューマン所長)と言われる。昨年のロンドン・テロ以降、同じようなテロが少なくとも3件未然に阻止されたと警察当局は語る。

 テロ計画未然阻止の知らせは、カリブ海で家族と休暇中のブレア首相にも伝えられた。首相は直ちにブッシュ米大統領に電話し、改めて「対テロ戦争」での連携強化を確認した模様だ。

 ただ、常に緊張状況に置かれている英当局の過剰反応を指摘する声もある。今年6月、ロンドン警視庁は化学・生物兵器のアジトとみたロンドン市内の家を200人の部隊で急襲。若者2人を逮捕し、うち1人を銃撃で負傷させたが、虚偽情報とわかって釈放するという失態を犯した。今回の航空機テロ摘発は英警察当局の威信をかけたものだったが、脅威がどこまで確度の高いものだったか、事件の背後関係の解明はまだ先だ。

 ◇バカンス客は大混乱 欧州の空は「マヒ状態」

 バカンスに向かう乗客であふれかえっていた欧州最大の英ヒースロー国際空港は10日、大混乱に陥った。米英政府が持ち込み手荷物の規制など安全対策を強化したことが影響し、運航の大幅な遅れや運航中止が相次いだためだ。欧州の空は「マヒ状態」(英空港管理会社BAA)に陥り、その余波は世界各地に広がる可能性がある。混乱の影響は今後も尾を引きそうだ。

 1日約20万人が利用するヒースロー空港では、欧州便の到着をすべてキャンセル。長距離便も制限し、運航スケジュールは大幅に遅れている。離陸便もキャンセルが相次ぎ、チェックインカウンターには乗客があふれた。

 BAAは乗客に対し、絶対に必要な場合を除いて旅行を見合わせるよう勧告。米英政府は機内へ持ち込みを旅券や現金などに限定し、ハンドバックなどの持ち込みが禁止された。また化粧水などの液体の持ち込みも原則禁止された。容疑者が液体の爆発物を使おうとしていた可能性があったため、ベビーフードなども安全確認して与えるよう規制された。

 英最大手のブリティッシュ・エアウェイズ(BA)はヒースロー空港を発着するすべての国内、欧州便の運行を取りやめた。独ルフトハンザ、スペインのイベリア航空など欧州の主要航空会社も、英国行きの便をキャンセルした。

 ◇機内への液状物質の持ち込み禁止措置

 英国の航空機テロ未遂事件を受け、日本航空と全日空などの航空各社は米国の運輸安全局(TSA)からの要請で、10日夜出発の米国行きの便から、機内への液状物質の持ち込み禁止措置を取った。国土交通省は「国内に直接脅威はない」として警戒水準は変えていないが、同日夜、航空各社や空港ビル会社に対して液状物質の検査を徹底するよう緊急通達した。

 成田国際空港では、各社が搭乗前の旅客に協力を求めるポスターを掲示。機内に持ち込みの手荷物から、飲料用をはじめ化粧品、歯磨きチューブなどの液状物質を提出してもらい、「一時預かり」とした。【佐藤仁志、長谷川豊】

毎日新聞 2006年8月10日 23時18分 (最終更新時間 8月11日 0時28分)
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by miya-neta | 2006-08-10 23:18 | 国 際