「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

自民総裁に安倍氏/優先課題は外交と格差是正

河北新報ニュース


 国民の目の高さに立ってバランス感覚を重視し、独断専行に走らないでほしい。
 小泉純一郎首相の後継となる自民党総裁に20日決まった安倍晋三官房長官に、最初に言っておきたいことだ。

 国会議員の403票と、党員・党友の投票を地方300票に換算し、計703票を争った総裁選は、安倍氏が66%に当たる464票を獲得し、136票の麻生太郎外相、102票の谷垣禎一財務相を退けた。

 当初は7割以上の得票が予想された安倍氏だが、「安倍雪崩現象」への逆バネが働いた上、地方政策を重視した麻生氏が地方票で、安倍氏との対立軸を明確にした谷垣氏が国会議員票で健闘したのだろう。それにしても安倍氏は3分の2を制しており、圧勝したのは間違いない。

 26日召集される臨時国会の衆参両院本会議で首相に指名され、5年余続いた小泉政治の負の遺産といえる数多くの課題を背負ってスタートする。

 その一番手は東アジア外交だ。11月中旬にハノイで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の前にも、日中首脳会談の再開を調整する水面下の動きが伝えられており、何としても実現してほしい。
 中国とは経済のパートナーとしてだけでなく、長期展望に立ったアジアの平和や連携を図る上で、緊密な関係が必要だ。

 しかし、総裁選での安倍氏の主張を聞く限り、先の戦争に対する歴史認識をあいまいにしており、懸念される材料も多い。

 安倍氏は、1995年に「植民地支配と侵略」に言及した当時の村山富市首相の談話に関し、ようやく「精神は引き継いでいく」との見解は示したものの、「(評価は)後世の歴史家の判断に委ねる」と繰り返した。自身が靖国神社を参拝するかどうかも明かしていない。

 外交は互いの信頼の基礎の上に築かれ、あいまいな戦略がいつまでも通るはずはない。
 各国メディアが安倍氏の歴史認識をマイナスイメージで報道しており、欧米の日本観にも影響を及ぼす問題になる可能性もある。安倍氏は、早急に整理しておく必要がある。

 格差問題で安倍氏は「再チャレンジ支援」と銘打ち、(1)非正規社員への社会保険の適用拡大(2)育児が一段落した女性への就職支援のための採用基準の見直し(3)失敗した企業家への融資―を掲げる。ただ、非正規社員が約1600万人に上り、生活保護世帯が100万世帯を超える現状を直視すると、「再チャレンジ支援」だけで乗り切れるとは思えない。低所得者層のセーフティーネットの確立が急務だ。
 都市部と地方の格差も広がっている。地方分権を目指した「三位一体改革」は霞が関の抵抗で実を結んでいない。首相自ら陣頭指揮を執る必要があろう。

 世論調査では、国民の最大関心事は、年金をはじめ社会保障制度だ。少子高齢化が進む中、財源をどうするかなど、消費税との関係も含めて丁寧に説明してほしい。安倍氏が掲げる憲法改正への関心度は低く、今、拙速に進める時期ではない。

2006年09月21日木曜日
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by miya-neta | 2006-09-21 10:01 | 政 治