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「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

男性教諭、子どもとの間合いに苦悩も 福岡・中2自殺

Sankei Web > 社会 > 男性教諭、子どもとの間合いに苦悩も 福岡・中2自殺(10/19 00:58)


 福岡県筑前町立三輪中2年の男子生徒(13)がいじめを苦に自殺した問題は、1年生時の担任の男性教諭(47)がいじめのきっかけをつくったことが大きな衝撃を与えた。「からかいやすかった」という安易な意識とはあまりにもかけ離れた悲惨な結末。周囲から経験豊富に見られるベテラン教員だが、子供との間合いに苦悩する内面も浮き彫りになる。

 ≪ランク付け≫

 「人気者だったけど、口が悪く悪ふざけも多かった」。生徒たちの教員評は似通っている。

 「生徒と一緒にふざける面白い顔」の半面、イチゴの品種で生徒をランク付けし、女子生徒には「太っているので豚」ときつい言葉を浴びせた。

 「君は偽善者にもなれない偽善者だ」。いじめの発端になったとされる発言は、男子生徒が中1の1学期ごろ、床に落ちた友人の消しゴムを拾った際に飛び出した。

 発言の中身は分かりにくいが、ある教育関係者は「以前からいじめに近いことがあり、クラス全員がこの言葉を理解できる土壌があったのではないか」と推測する。

 「子供とふざけ合うことで、距離を縮めようと“努力”する教員は多い。だが次第に感覚がまひし、一線を越え、子供の人格を傷つけるケースも少なくない」。都内の中学校長(52)は現場の実態をこう分析。「子供だけでなく、大人の側にも自分より弱い者を見て安心したがる心の弱さはある。特に年配の教員は、定期的に心を見つめ直す時間が必要だ」と話す。

 ≪迷える世代≫

 文部科学省によると、子供とコミュニケーションが取れないなどとして「指導力不足」と認定された公立校の教員は、平成17年度に506人。うち40代は45%、50代は37%を占める。

 40代以降は、これまで培った教育実践が現場で通用しにくくなり、柔軟に対応できる教員との間で、指導力に大きな差が出る時期でもある。

 「同じ年代として、この担任にも悩みがあったと思う。ぼくらは迷える世代だから」と打ち明けるのは埼玉県の小学校教員(48)。「50歳間近の教員は子供の感覚から離れていないか、常に不安を抱えている。子供たちに迎合してしまう人もいれば『もう限界』と担任を外れる人もいる」と指摘する。

 精神疾患で休職する教員の理由では、若手が保護者との関係に悩む一方で、ベテランは子供との関係づくりに苦悩するケースが圧倒的だ。

 ≪第三者機関≫

 「自分はいつも選ばれず、独りぼっちだった」。この春まで立教大の非常勤講師だった心理カウンセラーの内田良子さんは、学生たちが提出した子供時代のリポートを読んで愕然(がくぜん)とした。

 教員が班長を選び、その班長が好きな子を班員に選ぶ。給食時や席替えでも、好きな者同士で集まるように促す。そんな指導を受けてきた学生が少なくないという。

 当然、仲間からはじき飛ばされるケースもあるが、教員はそうと認識しないまま、心に傷を受ける子供は増える。

 「固定化した力関係の中で、子供が先生に『いじめをやめさせてほしい』と言うのは難しい」と内田さん。子供の相談に乗ることができる“駆け込み寺”のような第三者機関設置の必要性を訴えている。
by miya-neta | 2006-10-19 00:58 | 教 育