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「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

脱いじめ宣言:「出席停止」空文化 疑問と批判、現場から

教育行政:MSN毎日インタラクティブ


 ◇現実的でない/加害者の特定困難

 文部科学省がいじめ対策に掲げていた「いじめた小中生の出席停止処分」は、沖縄と埼玉県以外でほぼ空文化していた。「抜けない伝家の宝刀」の指摘を裏付け、各地の教育委員会の担当者から「適用を求められても現場は戸惑うだけ」などと疑問と批判の声が続出した。【まとめ・竹中拓実】

 適用しない理由に「そこまでのいじめがなかった」と公式見解を述べる一方、匿名で「効果」への疑問を語る担当者が多かった。

 大分県教委幹部は「学校から追い払うことが本当に有効か」。栃木県教委幹部も「大きな声では言えないが保護者に問題がある場合が多く(自宅謹慎は)教育面で問題がある」と心配な点を語った。

 「義務教育である以上おいそれと取れる措置ではない。現実的でない部分がある」(和歌山同)とする声もあった。

 適用にあたっての困難さは多くが指摘した。

 いじめは被害・加害者だけでなく、はやし立てる子、傍観者がいる。「この4層構造の中でどこまで対象にするか認定は困難」(山形同)▽「立場がころころ入れ替わるのが日常茶飯事で加害者特定は非常に難しい。無視の場合、クラス全員を出席停止にするわけにはいかない」(山口同)などと語り、国に詳細な基準設定を求める意見が続出した。

 親を納得させる難しさもある。「保護者に『なぜ』と言われた時、相当の理由がないと説明がつかない」(富山同)

 政府の教育再生会議は先月29日、出席停止の文言掲載を見送り、代わりに「毅然(きぜん)とした対応」を掲げ、社会奉仕や別教室授業を例示した。「否定できる内容ではないが、白黒はっきりしないいじめの場合、適用基準を明確にするのがなかなか難しいのでは」(名古屋市教委幹部)との声が出た。

 こうした実態や声について文科省児童生徒課の木岡保雅課長は「実効性がないことを言ってきたつもりはない。義務教育で『(学校に)来ないで』と言うのは先生もつらいところがあるんでしょうが、周りのお子さんが困るのであれば、(出席停止処分を)使わなければならない」と話した。

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 ◆いじめを主な理由にした公立小中学生の出席停止人数◆

年度  人数
96  0
97  0
98  0
99  6(沖縄県6)
00  6(沖縄県6)
01  0
02  5(埼玉県3、残り不明)
03  0
04  0
05  7(沖縄県7)

 ※文科省まとめ。96年度は中学生のみの調査。人数は延べ人数。かっこ内は毎日新聞調べ

毎日新聞 2006年12月4日 東京朝刊
by miya-neta | 2006-12-04 08:22