教師と子どもの「なれあい型」学級、いじめ発生率高く
2006年 12月 06日
2006年12月06日01時11分
教師が子どもに合わせ過ぎ、集団のルールが守られていない「なれあい型」学級は、ルールを守り子ども同士が主体的に活動している「満足型」学級に比べ、いじめの発生率が約2~4倍高いという調査結果を、都留文科大の河村茂雄教授(心理学)がまとめた。
河村教授は約10年前から、全国の児童生徒にクラスの満足度を聞くアンケートを実施。学級のタイプを「なれあい型」「満足型」のほか、教師の厳しい指導でルールを形成している「管理型」などに分類している。
この分類手法を用いて、04、05両年の冬に小中学生各3200人から得た「いじめ」アンケートの回答を分析。その結果、いじめ発生率は「満足型」を1とすると、「なれあい型」は小学校で3.6、中学校で2.1。「管理型」はやや低く、小学校で2.5、中学校で1.7だった。
河村教授は「なれあい型では、リーダー的な子どもたちによるいじめがクラスをまとめるための必要悪と教師が考え、強い指導ができない可能性がある」と分析。日常的な子どもの観察だけではいじめの発見には限界があり、集団としての学級の状態にも目を向けるべきだ、と提言している。