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「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

いじめ「クラスの空気」反映 学級崩壊時、5倍に

学校教育|教育・福祉|Sankei WEB


 いじめの発生は学級の雰囲気に左右され、児童生徒が学校生活への不満を感じるクラスで特定の子供をはけ口にする傾向が強いことが5日、都留文科大学(山梨県)の河村茂雄教授(心理学)の調査研究で明らかになった。中学では学級崩壊の兆候が見え始めると、いじめの発生は約5倍に跳ね上がる。河村教授は「いじめは被害者と加害者という二者関係でなく、学級という集団の問題としてとらえ、対処することが重要」と指摘している。

 河村教授は平成7年度以降、約10万人の児童生徒を対象に心理テストを行い、学級でのトラブルの大小や児童生徒の意欲の高さなどから、学級の状態を(1)子供同士の人間関係が良く学級運営も正常な「満足型」(2)教師が統率するタイプの「管理型」(3)教師とも友達感覚が漂うタイプの「なれ合い型」-などに分類した。これまでの研究では、「管理型」は小学校で24%、中学校では58%、「なれあい型」は小学校で45%、中学校で16%を占める。

 このうち16年度から2年間にわたり、約1万人を対象にいじめについて調べた結果、小学生では「長い間いじめられている」「とてもつらい」と答えた児童が40人学級で1人の割合となる3.6%を占めた。中学生は2%で、8割の学級でいじめを訴えていた。

 いじめと学級状態との関係では、「満足型」の学級でのいじめ発生割合を1とした場合、「管理型」は小学校で2.5倍、中学校で1.6倍。

「なれあい型」では小学校3.6倍、中学は2.1倍で、学級崩壊の兆候が見え始めると、中学では5.1倍に急増した。

 学級内のストレスの要因をみると、全般的には「授業がわからない。興味が持てない」が多く、「管理型」ではそれに加えて、「教師が威圧的。特定の子供だけが認められている」「授業や学級生活がワンパターン。判で押した生活で刺激に乏しい」といった不満があった。

 「なれあい型」にみられるストレスには、「子供同士の陰口が多い」「ルールが守られていない」「学級に親しみが感じられない」が並んだ。

 いじめと感じている児童生徒に「誰からいじめられたか」をたずねたところ、小学生の50%弱、中学生の30%弱が「同じクラスのいろいろな人」と回答。いじめられている子供は集団生活のなかで、みんなの不満のはけ口にされている構図が浮き彫りとなった。

 河村教授は今回の調査結果について、「いじめ問題は、加害者対被害者という二者関係でとらえられがちだが、被害者はみんなから『いじめられた』と感じている。学級でいじめは埋没して見えにくく、表面化しても周囲が自覚に乏しいのはこのためだろう。特に『なれあい型』では、実際には子供が傷ついているのに、教師が見逃したり、軽い気持ちで加担したりする危険がある」と指摘している。

(2006/12/05 23:58)
by miya-neta | 2006-12-05 23:58 | 教 育