Xマスツリーは不適当?~空港が「宗教上の理由」で一時撤去
2006年 12月 13日
更新2006年12月13日 19:10米国東部時間
ワシントン州のシアトル・タコマ国際空港が最近、「宗教上の理由」から空港内のクリスマスツリーを一時撤去したことで、公共の場所でのツリー設置の是非論争が再燃している。
AP通信などによると、ユダヤ教のラビ(宗教指導者)が数週間前、ツリーの隣に大きなユダヤ教のメノラ(枝分かれしたしょく台)を置かなければシアトル港湾局を訴えると警告したのが撤去のきっかけとなった。空港当局は9日、宗教の多様性に配慮し、ツリーとメノラの併設ではなくツリーをすべて撤去することに決めて実行した。
ところが、直後から空港当局にはツリー復活を求める電子メールが殺到。一方、キリスト教の伝統行事に由来するツリーを公共の場に設置するのは「政教分離の原則に反する」との批判も以前からくすぶっており、論争となった。
ただ、ツリー撤去が大きく報じられると、ラビは「提訴しない」と態度を変えた。このため空港当局は11日、再びツリーの飾り付けを始めた。
宗教色を弱めようとクリスマスツリーを「ホリデイツリー」と呼び、年末商戦で「Merry Christmas」でなく「Happy Holidays」の表示を使う動きもあるが、これにはキリスト教保守勢力が反発している。小売り世界大手のウォルマート・ストアズも、ことしは「Merry Christmas」を復活させている。