人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

【主張】教育再生会議 ゆとり教育是正なぜ削る

コラむニュース:イザ!


2006/12/23 05:15

 政府の教育再生会議は来年1月下旬にまとめる第1次報告のたたき台となる骨子案を発表した。授業時間の増加や規律ある教室づくり、不適格教員の排除などが盛り込まれている。

 特に、授業時間の増加は喫緊の課題だ。今の子供たちは旧文部省時代から推し進められた「ゆとり教育」により、授業時間を大幅に削減されている。経済協力開発機構(OECD)の学習到達度調査などが示すように、日本の子供たちの学力低下は誰の目にも明らかになっている。

 再生会議がこの問題の解決策を示したことは評価されてよい。だが、「ゆとり教育の是正」という文言が入っておらず、不十分さが否めない。

 再生会議の事務局には、文部科学省などから幹部が出向してきている。いかに有能な官僚であっても、官僚は自分たちが過去に行った行政の誤りを容易に認めようとはしないものだ。再生会議の中に、こうした過去の教育行政に配慮する雰囲気があるとすれば、それは払拭(ふっしょく)すべきである。

 旧文部省は昭和50年代の学習指導要領改訂で教科内容を2~3割削減し、平成14年度からの指導要領改訂でさらに3割減らした。全体で子供の学習量は半減した。これは、戦後教育行政の重大な誤りといえる。

 文科省が誤りを認めないのなら、再生会議が文科省に代わって国の過ちを認めるくらいの強い姿勢で教育改革に取り組んでほしい。そこにこそ、「教育再生」の意義がある。

 規律ある教室づくりや不適格教員の排除なども方向性は正しいが、今ひとつ具体性に欠ける。いじめ自殺や未履修問題などで閉鎖性が指摘された教育委員会制度についても、「情報公開を進める」との表現にとどまり、会議に同席した安倍晋三首相は「さらに掘り下げて議論をしなければいけない」と注文を付けた。1月下旬の第1次報告までに肉付けが必要だ。

 安倍首相が提唱する親が学校を自由に選択できる「教育バウチャー」制や大学9月入学制とそれまで半年間のボランティア活動なども、今回の骨子案には盛り込まれていない。戦後の教育制度を大きく変えるこれらの課題についても、官邸主導をより徹底させ、思い切った議論を展開してほしい。
by miya-neta | 2006-12-23 05:15 | 教 育