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「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

沖縄多良間島:出生率3.14 日本一の子だくさん

話題:MSN毎日インタラクティブ


 沖縄本島から約360キロ、石垣島と宮古島の間に浮かぶ多良間島。人口約1400人で、昨年度は18人の赤ちゃんが生まれた。合計特殊出生率(1人の女性が一生に産む子どもの数)は3.14。日本一の子だくさんだ。

 日本の少子化は深刻さを増している。出生率が2.08を下回ると人口減が始まるが、05年は1.26。晩婚化や不況が影響しているともいわれる。

 多良間島には病院も高校もない。大人になって就ける仕事も少ない。それなのに、なぜ子だくさんなのか。保育園から中学まで1校で、1学年1クラス。大人たちに見守られ、元気に育っていく子どもたちに、日本の明るい未来は見えるか? 【北川仁士】

 ◇みんな自分の子

 沖縄・宮古島からプロペラ機で20分。淡く色を変えていく海の先に、白い砂浜で包まれただ円形の多良間島が浮かぶ。

 歳末の空港。年越しに帰郷する人が次々とタラップを下りる。「久しぶりだなぁ」。人口1400人。知らない顔はない。

 集落に近いサトウキビ畑で、本村夏子さん(38)が収穫に追われていた。沖縄本島の名護市から嫁ぎ、1歳から11歳の5人の子を育てる。病院がなく、お産のたびに飛行機で宮古島に渡る。子どもの具合が急に悪くなった時も、ヘリで搬送するしかない。

 それでも夏子さんは「ここの大人はみんなが自分の子のように気にかける。1人で悩むことはない」という。子どもが1日外に顔を見せないだけで、近所の人たちが「どうかしたの?」と心配してくれる。

 子どもたちは15歳で親元を離れ、自立する。高校がないからだ。めいの由貴乃ちゃん(14)も4月から宮古島で1人暮らしを始める。

 同級生は16人。幼稚園から中学までずっと一緒だった。「いいところもいやなところも、お互いよく知っている」。けんかはするけれど、いじめや不登校なんてない。

 少し前まで、船に2時間乗り、欲しい服を買いに出た。今はインターネットで何でも手に入るけれど、「外の世界も見てみたい」と少し思う。

 でも「やっぱり多良間が一番」と、先輩たちは言う。県立宮古高校3年の古謝(こじゃ)友恵さん(18)は「ここには何もないけれど、家族と家族同然の友達がいる。離れて初めて分かった」。元旦、18人の同級生全員が砂浜に集まり、初日の出を眺めながら、自分たちと島の未来を語り明かす。

 出生率「3.14」の島には、塾もコンビニエンスストアもない。代わりに「すべての子は宝」という、揺るぎない思いがある。

毎日新聞 2006年12月31日 20時08分 (最終更新時間 12月31日 21時12分)
by miya-neta | 2006-12-31 20:08 | 社 会