「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

10億円CM攻勢かける謎の米「デモス財団」

話題!ニュース:イザ!


2007/01/09 20:34

≪ヒルマン監督ら広告塔に≫
 数百万人の人生を変えたという本「パワー・フォー・リビング」を無料で進呈するという謎めいたテレビCMが、先週末から大量に放送中だ。7日には全国紙の大半に全面広告が出され、折込や雑誌広告にも大展開している。米国に本部を置く財団が世界各国で行ってきた巨大キャンペーンの一環で、ドイツでは「宗教色が濃すぎる」としてCMが放送中止となり、日本のテレビ局でも対応は二分している。秘密主義を貫く財団の正体とは?

 「10億円もの予算をかけて全国にスポットCMを大量に流す。日本ではまったく知られていない団体が、トヨタなどトップ企業と同レベルの広告費を投下すると、業界は騒然としている」(民放テレビ局営業)

 各局のCMを1カ月間ジャックし、新聞雑誌でも大展開するのは、米フロリダ州に本部を置く「アーサーS・デモス財団」という団体だ。

 広告塔は敬虔(けいけん)なキリスト教徒の4人。プロ野球・北海道日本ハムのヒルマン監督(44)、「久保田早紀」の名で「異邦人」をヒットさせた歌手の久米小百合さん(48)、音楽ユニット「m-flo」のverbalさん(31)、フィギュアスケート選手のジャネット・リンさん(53)。

 自らの宗教体験とともに、「パワー・フォー・リビング」という無料の本を勧め、取り寄せるための電話番号やホームページアドレスが表示される。

 実はこうしたキャンペーンは、これまで欧米でも行われてきた。米国では99年3月までの半年間で大統領選のメディア戦略をしのぐ33億円余が投じられた。ヤンキースのペティット投手や元ミスアメリカが本を勧めるCMは、CNNだけで1日50回流れ、「タイム」誌などの各雑誌や地下鉄駅にも広告が掲出された。

 無宗教者のために83年に書かれた「パワー・フォー・リビング」英語版は、134ページの冊子に例え話を織り交ぜ、「神はあなたを愛している」「人類は罪深い」「何人たりとも神を受け入れねばならない」などと訴える。聖書を読むよう勧め、妊娠中絶や喫煙、同性愛には反対の姿勢だ。

 01年末からはドイツでも英国人歌手、クリフ・リチャードさんらを起用して同様のキャンペーンが行われたが、キリスト教右派的な教えや秘密主義、新興宗教とのかかわりなどで批判が高まり、1カ月で放送禁止となった。

 同財団の創始者は、ダイレクトメールによる生命保険で財をなしたアーサーS・デモス氏。1955年に設立し、79年に同氏が亡くなると妻のナンシー氏が代表を引き継いだ。毎年のように全米で慈善団体の上位に名を連ね、資産額は600億円とも。テレビ宣教師やキリスト教系組織、同性婚や妊娠中絶に反対する法律事務所などに多額の寄付を行っている。

 米国の宗教事情に詳しいある教授は、「キリスト教福音派の中でも、中絶反対や進化論否定などを訴える右派と関係が深い財団。米国では福音派の保守的な価値観が盛り返し、ブッシュ大統領の当選にも貢献した」と説明。さらに同財団について「本を頼んだ後にしつこく勧誘されるようなケースは聞いていないが、情報が遮断されている点はカルト的」とみる。

 99年にタイム誌記者が財団本部に電話取材すると、「われわれはカルトではないが、自分たちの実態を話すことはできない」と回答され、「当財団には(自分たちを)PRすることを望まなくなった経緯がある」とのFAXが送られてきた。財団関係者には、財団を称賛する話を外部ですることすら禁じるなど、厳しい秘密保持が求められるという。

 日本でも秘密主義は貫かれる。

 財団の住所とされる東京都港区南青山のビルの一室を訪ねても、呼び鈴に応答はない。ビルの関係者は「複数の団体の連絡場所として使われている部屋。誰もいないことが多い」と話す。

 本の発送を頼むホームページに財団の連絡先はない。同様にコールセンターでもオペレーターは財団や本の「情報を持ち合わせていない」うえ、センターの所在地も「お答えできない」。マスコミ向けの電話窓口でも広告会社社員が「資料をお送りします」と応対するのみで、財団とじかの接触はかなわなかった。

 謎に包まれたCMへの対応は、民放テレビのキー局でも二分している。「本の宣伝だと聞いている。うちの規定には抵触しない」とするテレビ朝日、「NPO法人の活動報告をまとめた本と聞いている。仮に宗教関係でも初詣CMなど勧誘の色彩がないものはOK」のテレビ東京、そして日本テレビがCMを放送。一方で「総合的に判断」したフジ、「内規等に基づいた考査判断」をしたTBSは見合わせている。

 前出の教授は「大々的に宣伝しても、キリスト教徒が少ない日本でどれだけ効果が上がるか疑問だが、動向を見守る必要がある」と話している。 
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by miya-neta | 2007-01-09 20:34 | 国 際