「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

【産経抄】2007/01/25

【産経抄】-コラむニュース:イザ!


2007/01/25 05:04

 日本がいかに国際化しているかは、刑務所や病院を覗(のぞ)くと分かるらしい。世間には、国籍とはかかわりなく善人も悪人もいるし、健康な人もそうでない人もいる。23日付読売夕刊(東京)は、国内最大の府中刑務所には、国籍が46カ国で35言語の受刑者がいると伝えていた。

 ▼この数字だけで、意思の疎通はもとより、食事から祈りの場所の確保まで刑務所側の苦労がうかがえる。イスラム教徒は豚肉を忌み嫌う。ヒンズー教徒は牛を敬うためか菜食主義者が多い。悪人ほど神に命ごいするから、とんでもない時間にお祈りをする。言語数が多ければ、それだけ手紙類のチェックも大変だ。

 ▼5年前に、多人種国家のシンガポールで入院したことがある。医師は中国系、看護師はマレー系、事務職がインド系とそれぞれ得意分野を生かして配置されていた。病院食も中華、マレー食、ベジタリアン、洋食の中から選択せよといわれて驚いた記憶がある。

 ▼宗教と人種への配慮は、日本人が敗戦時に収容されていたあのチャンギ刑務所も同じだ。取り扱いをちょっとでも誤ると、宗教暴動や人種暴動を招く。社会の混乱によって国家の統一さえ危うくなる土地が世界にはあるのだ。

 ▼子供のころから隣家に外国人がいれば、相手との距離感がおのずと身に付くが、成人してから接する日本ではそうはいかない。新しい隣人に食事を振る舞おうと、善意で豚汁やすき焼きを提供しても、トラブルのもとになる。

 ▼厄介なのは、宗教と人種の数だけ正義があって、心理的な妥協がしにくいことだ。日本の刑罰は周辺国よりも軽いとなれば、刑期を終えて強制送還されても悪辣(あくらつ)な手で入国してくる。国際化とは、居心地の悪さを受け入れる寛容さの多寡に通じる。
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by miya-neta | 2007-01-25 05:04 | 国 際