「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

柳沢厚労相続投/少子化対策の任が務まるか

河北新報ニュース


 女性を中心に、日に日に怒りが増しているのは「女性は産む機械」などとした比喩(ひゆ)的発言への不快感ばかりでない。子育てをめぐる環境への無理解や鈍い人権感覚への不信感があるからだろう。

 本当に、柳沢伯夫厚生労働相が、政府の最重点施策の一つである少子化対策の旗振り役を果たせるだろうか。本人も、任命権者の安倍晋三首相も、政治的思惑など捨て、国民の声に耳を傾ける必要がある。

 女性を「産む機械」と発言した厚労相について、首相は続投させる方針を決め、与党内にも拡大した辞任論の沈静化に努めている。

 柳沢氏は衆参本会議で「女性を傷付ける不適切な表現を用いた。国民、特に女性に深くおわびする」と謝罪。安倍首相も国会答弁で、首相としては異例ともされる謝罪を繰り返した。

 「産む機械」発言は、一時の失言であり、柳沢氏本人と首相の謝罪に加え、柳沢氏が厚労相としての職責を全うすれば国民の理解が得られると考えているのだろう。

 そして、野党の罷免要求に対し、首相が厚労相の続投にこだわるのは、本間正明前政府税制調査会長、佐田玄一郎前行革担当相の辞任に続いて、厚労相まで同じ轍(てつ)を踏めば、首相自身の任命責任の問題に発展し、政権の危機につながると踏んだためと見られる。

 だが、そんな対応で事は乗り切れるだろうか。怒りは収まりそうもない。
 先月27日、松江市で開かれた自民県議の決起集会での柳沢氏の少子化問題に言及した発言―。「産む機械、装置の数は決まっているから、あとは1人頭で頑張ってもらうしかない」。さすがにまずいと思ったのか。「機械と言っちゃ申し訳ないけど」「機械って言ってごめんなさいね」とした上、「産む役目の人」と言い直したという。

 女性の人格をないがしろにした無神経な放言だ。「産む役目の人」という表現も、柳沢氏の女性観を如実に表していると言われても仕方がない。

 女性の中には、産みたくても産めず、人知れず不妊症治療に通う人もいる。子育てするには経済的に厳しく、泣く泣くあきらめるケースもある。仕事と子育ての両立は困難がつきまとう。ただ、女性が頑張れば、子どもが増えるわけではない。

 さらに、子供を持つか持たないかは、個人の、夫婦の人生観にかかわり、自主的に、主体的に決めることだ。誰からも命令、指示される問題ではなく、まして人口減による労働力不足、年金財源の補填(ほてん)などと考えているとしたら、もってのほかだ。

 政治が果たすべき役割は、産みたい人が安心して産める環境づくり、例えば、男女共同参画社会の実現や経済的豊かさの波及、育児休暇の充実など仕事への復帰の条件整備などだろう。

 厚労相は子育ての現実に思いをめぐらしていたかどうか。政府は近く、少子化対策の戦略会議を発足させ、厚労相もそのメンバーだ。後遺症を抱えながら、新しい政策を打ち出したとしても信頼回復は容易ではない。

2007年02月02日金曜日
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by miya-neta | 2007-02-02 08:43 | 政 治