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「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

患者を癒やす「ヒーリング・アート」 病院に広がる

asahi.com:暮らし


2007年02月07日17時50分

 入院や通院する患者の不安を和らげ、気持ちを癒やすため、病院の待合室や廊下に絵画などの美術品を展示する「ヒーリングアート」が広まっている。展示には有名作家の作品が使われる例もあり、患者からは「落ち着く」と好評だ。一方、都内の病院では絵画が盗まれる事件が起きるなど、病院管理上の新たな課題となるケースもある。

患者を癒やす「ヒーリング・アート」 病院に広がる_b0067585_22443224.jpg明るい色調の絵画が壁面を彩る。フロアごとにテーマが決まっており、2階は「花」だ=日赤医療センター2階廊下で

 東京都港区の北里研究所病院の建物から1月上旬、文化功労者で洋画家の鈴木信太郎氏の作品2点が無くなっているのに職員が気づき、警視庁高輪署に被害届を出した。

 同病院は99年の新棟設立時からヒーリングアートを取り入れ、現在は鈴木氏の作品を含め約350点の絵画が院内を彩る。

 絵は壁から離れるとブザーが鳴る仕組みになっていたが、持ち去られた時には誰も気づかなかったという。

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 ヒーリングアートを研究している、女子美術大学大学院の山野雅之教授(ヒーリング造形)は「新設される病院を中心に、患者の精神的な環境作りを考えるところが増えている」と指摘する。

 00年に開院した兵庫県姫路市の広畑センチュリー病院でも、MRIの検査室の天井には、患者の目線にあわせるように青空と雲が描かれている。検査中の緊張をほぐすねらいだ。

 病院の白っぽい内装は、患者にとっては病気への恐れと相まって「冷たい」「暗い」と、不安な気持ちに陥りやすいが、絵画などを効果的に配置することで温かい、明るい雰囲気が演出できるという。

 山野教授の研究室でもこれまで、日赤医療センター(東京都渋谷区)など、首都圏の約30の病院で、学生の絵画を展示。夏休みに入院している小児病棟の子どもたちのために期間限定で動物の絵を張り巡らせるなど、場所や季節にあわせて趣向を凝らしている。

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 ヒーリングアートの効果が認知されつつある一方で、展示作品を盗難やいたずら、損壊から守るためのセキュリティー強化が必要となる。

 前述の広畑センチュリー病院では、人の出入りを制限できない受付周辺の絵画は、時間外になるとさりげなく取り外している。防犯上やむを得ないという。

 ある都内の病院勤務者は「物々しく警備すれば『癒やし』には逆効果。目立たないけど、効果のある管理方法を工夫するしかない」と話す。
by miya-neta | 2007-02-07 17:50 | 社 会