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「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

いじめ自殺:両親の願いかなわず…学校側怠慢を否定

事件:MSN毎日インタラクティブ


 「これではいじめはなくならない」。栃木県鹿沼市の臼井丈人君(当時15歳)の自殺を巡る28日の東京高裁の控訴審判決に、両親は怒りをあらわにした。判決はいじめを自殺の要因の一つと認めながらも、学校側の怠慢が自殺に直接つながったとの遺族側主張を否定した。各地で相次ぐいじめ自殺。「1審よりは前進したが、なぜ学校の責任が認められないのか。子供が自ら死なねばならない世の中をどう変えていくか。みな真剣に考えてほしい」。一人息子を失った両親は、遺影とともに臨んだ会見で上告の決意を明らかにした。

 判決後、父克治さん(55)は「もともと学校で起きたことなのに、責任を認めないのは納得できない」と厳しい表情。弁護士が「いじめが原因でうつ病になったと認定したのは従来の判例から比べても踏み込んだ内容」と話しても、母治代さん(59)とともに視線を落としたままだった。

 判決前日の27日夜。同市郊外の臼井さん宅の夕食には卵入りスープ、漬物、豆腐とともに、勝訴を願う治代さんが買い求めたトンカツが並んだ。亡き丈人君の分も。99年11月25日、丈人君の最後の夕食はロールキャベツが主菜。「普段よりも多く食べ、元気そうだった」。翌朝、治代さんが1階自室で変わり果てた息子を見つけた。

 両親は同級生らに話を聞いた。いじめを確信した後も、市教委幹部は「我々は臼井さんを被害者と考えていない。自殺ではなくあれは事故だ」と言い放った。誰が、何を隠しているのか。第2、第3の丈人を作らないためにはどうすれば良いか。明らかにするには裁判しかなかった。

 しかし、2審でも願いは届かず、提訴から5年8カ月後の今も、加害側の元同級生2人から直接の謝罪はない。当時の学校関係者も教壇に立ち、市教委幹部を務める。

 いじめは解決できるのか。「教師や学校がもっと子供の目線で物を見て、気配りをするしかないのではないか」。長考の末、克治さんは言葉を区切りながら話した。【吉井理記】

毎日新聞 2007年3月28日 11時40分 (最終更新時間 3月28日 12時55分)
by miya-neta | 2007-03-28 11:40 | 教 育