タービン破損 浜岡原発5号機 今月中旬にも再開
2007年 04月 30日
2007年2月1日8時0分配信
タービン破損事故で昨年6月から停止中の中部電力の浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)5号機が2月にも運転を再開する見通しになった。同4号機では、平成22年に、使用済み核燃料からプルトニウムを取り出し、加工したプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を導入する計画で、原発による発電量拡大をめざす。
5号機の早期復旧をめざして補修工事を進めてきた中電は、国の検査が終わり次第、運転を再開する方針。最短で2月中旬ごろには稼働可能になるという。
中電の総発電量に占める原子力比率は、東京電力、関西電力の3~5割以上に比べて、2割以下と低い。中電の原発は浜岡原発だけで、炉の数は5つ。しかし、長期にわたり改修工事中の1、2号機に加え、平成17年1月に営業運転を開始したばかりの5号機が昨年6月、タービンに損傷を受けて自動的に停止した。
このため、原子力比率は昨年12月に13%に下落。4~12月の累計では11%まで低下していた。
1、2号機は22年度下期まで運転の見通しがたたないものの、5号機が再稼働すれば、原子力比率が高まる上、コスト削減効果も望める。5号機が停止中、発電量は火力発電で補っていたため1日あたり4億円の費用増となっていたからだ。
中電は今後、現在稼働中の4号機に「プルサーマル」を導入する計画。プルサーマルは資源の乏しい日本では有効な使用済み核燃料の再利用計画とされる。原発は、温室効果ガス排出削減の大きな手段の一つ。5号機の再稼働に対する住民らの反応は、地球温暖化防止に対する意識を占う試金石でもある。
(名古屋特派員 茂谷知己)
最終更新:2月1日8時0分