「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

【産経抄】5月17日

コラむのニュース:イザ!


2007/05/17 05:42

 米国民といえば「カー・ネーション」といわれるほど車は日々の生活に欠かせない。四輪車を大衆化させたのはフォードのT型だし、豊かな時代の象徴はGMのキャデラックだ。そのビッグ3の一角をなす名門クライスラーが、業績不振でドイツのダイムラー傘下から放逐されるという。ビジネスに「名門」は何の役にも立たなかった。

 ▼「クライスラーの自殺」を予感したのは、はるか以前の90年代はじめのことだ。北米市場をホンダ、トヨタの日本勢に奪われたからだけではない。再建神話をつくったはずのアイアコッカ会長が、政治だのみの経営に走ったからだ。

 ▼氷点下のワシントンで、あの大男がホワイトハウスに押しかけて先代のブッシュ大統領に直談判した。記者たちは厳寒のホワイトハウスの前で2時間近くも待たされた。会長が出てきていったのは、日系メーカーの車を総量規制しろというムシのよい要求だった。

 ▼経営責任を人に転嫁するようではダメだな、というのが現場での印象である。「再建の神様」は地に落ち、「覇者の驕(おご)り」が会社の屋台骨をむしばんでいた。自動車の都デトロイトが地盤の議員を動員して、日本叩(たた)きに奔走したものだ。

 ▼もっとも、議員といえど事の本質が「品質を高めることに尽きる」ことは分かっていた。それはクライスラーが98年にダイムラーと合併しても変わらない。時代はガソリンを無駄食いする車より低燃費車の開発であり、洗練されたデザインが消費者の心をつかむ。

 ▼この名門を投資ファンドが買収し、続いて韓国、中国、インドのメーカーが色気を見せているという。米国車に起こることは日本車にも起こる。技術革新を怠れば、日本勢といえども明日はわが身に違いない。
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by miya-neta | 2007-05-17 05:42 | 国 際