「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

年金支給漏れ:国提訴の動き 弁護士「350人から相談」

行政:MSN毎日インタラクティブ


 社会保険庁の記録紛失や調査ミスのため、年金が正しく支給されないのは違法として、国に賠償を求める動きが公的年金加入者の中に出ている。5年間しかさかのぼって受給できない「時効」により、受給額を大幅に減額された人たちだ。政府・与党は、時効撤廃などを柱とする救済策を検討しているが、遅すぎる対応に耐えかねた加入者が「法的措置」に訴えた形だ。【野倉恵】

 「それ以上の記録はない」。東京都大田区の男性(77)は、社会保険事務所職員の言葉が忘れられない。男性は43~86年、10社近くで屋内設備の設計や管理に携わり、計113カ月間保険料を支払った。だが60歳になった89年に受給を申請した際、職員から「18カ月分の支払い記録しかない」と言われた。何度も調査を求めたが、取り合ってもらえなかった。

 その5年前に妻が死亡。体のしびれに悩み、自宅を売ってアパートで生活保護を受け始めていた。「年金が出たら保護を返上したい」。だが、年金の受給年額は4~10万円に過ぎなかった。

 ところが05年2月、年金手帳について別の事務所に問い合わせた際、昔の年金加入記録が見つかった。養子となり別姓だった時期のもので、別の年金番号で管理されていた。窓口の職員は「調べればすぐ分かったはずなのに」。結局、113カ月間支払ったと訂正されたが、時効のため493万円を受け取れなかった。これに納得できず、国を相手に今月1日、慰謝料も含めた約1093万円の支払いを求め、東京地裁に提訴した。

 兵庫県西宮市の男性(78)は、49年から勤めた運送会社の支払い記録がなかった。04年に当時の給与明細を偶然見つけ、記録は訂正されたが、時効分は受給できず、奈良市の弁護士、谷沢忠彦さん(65)が代理人になり、昨年提訴した。谷沢さん自身も、64年に加入した国民年金の支払い記録が75年以降しか社会保険事務所になく、領収書がないため、記録は訂正されないままだ。

 谷沢さんには、約350人からこうした相談が寄せられており「国の正しい管理運用が年金制度の前提。ミスによる国の不法行為が明らかになれば、単純に時効は成立しない」と主張。社保庁に審査請求中で、却下されれば行政訴訟を起こす構えだ。都内の男性の代理人の中川素充弁護士も「同様の被害は多い」と、訴訟を後押しする考えを示している。

毎日新聞 2007年5月28日 15時00分
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by miya-neta | 2007-05-28 15:00 | 政 治