「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

【コラム・断】「四権分立」思想を現代に

本・アートのニュース:イザ!


2007/06/13 13:26

 満州国は、日本人、中国人、満州人、朝鮮人、モンゴル人の五族協和の理想を掲げた。しかし、それだけではなかった。ほかにも、さまざまなヴィジョンが試された。たとえば国家機構に関しては、四権分立が標榜(ひょうぼう)された。立法と行政と司法の三権以外に、監察にも独立した権能を与えようとした。

 監察とは何か。官庁以下の公的機関の仕事内容を調べ、会計を改め、不正をただす。他の三権に従属せず、日々、それだけにいそしむ。権力に自浄力はない。事件発生後、検察が捜査するのでは遅い。常にフリー・ハンドの監察組織がそばで見張るのがよい。四権分立はそういう思想に基づく。

 ひるがえって、今の日本を見れば、「宙に浮いた年金記録」が大問題と化している。社会保険庁がきちんと働いていなかったせいだ。その事実が長く明るみに出ず、年金制度の信用を揺るがせている。

 また、所管大臣の自殺という異常事態を招いた、緑資源機構の疑惑がある。公的機関が談合の温床になっていたらしい。それも長く気づかれず、内閣の支持率を低落させる事態にまで発展した。

 二つの事件は、現在の国家機構が官庁等の働き具合を適切にチェックできていないことを明らかにしている。この国には、監察という第四の権力が必要ではあるまいか。

 満州国の四権分立はうまく機能しなかった。だが、理想は理想として思い出されていい。「美しい国」は、正義の貫徹した国家機構なくしてありえない。満州国の大立者だった岸信介の孫である安倍晋三総理には、今こそ満州国の機構図を見直してもらいたい。(評論家・片山杜秀)
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by miya-neta | 2007-06-13 13:26 | 政 治