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「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

教員志望は首都圏お得 狭き門の東北に教委がPR

asahi.com:暮らし


2007年07月06日19時45分

 7月から本格化する教員採用試験で、受験者の争奪戦が首都圏で起きている。団塊世代の大量退職に備え、新人の先生が大量に必要になったためだ。とりわけ各教育委員会が熱い視線を向けるのは、まだ「狭き門」の東北の学生たちだ。地元志向が強い学生に目を向けてもらおうと、魅力をPR。大学側が首都圏での受験を支援する動きも出ている。

教員志望は首都圏お得 狭き門の東北に教委がPR_b0067585_1565180.jpgこんなに違う首都圏と東北の採用試験の倍率

 「桑田君と同級生だったんだ」――神奈川県教委の採用担当者は今年、学生向けの説明会でそんな話をよくした。

 サザンオールスターズの桑田佳祐さんのことだ。県内で就職すれば、桑田さんの出身地でもあるおしゃれな湘南にも遊びに行けると印象づける作戦だ。

 神奈川県の教員の約6割は県外出身。今年も全国44大学で説明会を開いており、「県外の人にどれだけアピールできるかが大事」とみる。

 横浜市教委は、「国際的な港町」であることを前面に出した。交通網が発達してどこでも1時間以内に行け、「異動しても引っ越さなくていい」点も強調する。

 教員採用試験などの予備校「東京アカデミー」によると、07年度採用の小学校教員の場合、東北では試験の倍率が20倍を超えた県もあるのに対し、首都圏では軒並み3倍前後。08年度の倍率もほぼ同じ傾向で、地元志向が強い東北でも「首都圏を併願先とする学生も目立ってきた」という。

 東京都教委は大量退職に備え、社会人選考を設け年齢制限を緩めるなどの対策を取ってきた。その成果もあって応募者数は右肩上がりだが、ここ数年でピークを迎えている退職者の数に追いつかないのが現状だ。そこで、従来の仙台に加え、今年は初めて盛岡でも説明会を開催。青森や秋田の学生も出て来やすく「東北全体を視野に入れられる」ためだ。

 埼玉県教委も昨年から仙台で受験できるようにし、今年の説明会は東北だけで9大学を回った。「都会は自分に合わないと思っている学生が多い」という大学側の声を受け、「埼玉は自然がたくさんあってあまり都会ではない」と適度な田舎度合いをPR。千葉県と千葉市教委も「幕張のような大都市もあるし、豊かな自然もありますよ」とアピールした。

 こうした動きを受け、東北の各大学も首都圏での受験を支援。弘前大や山形大は無料バスを走らせている。

 今年初めてバスを出す岩手大は6日朝、キャンパスから約50人を送り出した。川崎市教委の説明会の後、今春行ったアンケートでは、「地元で臨時採用を待つよりも、本採用の確率の高い川崎市で受験した方がよいと感じた」などの回答があったという。

     ◇

 〈教育評論家の尾木直樹さんの話〉 原因の一つは自治体の計画性のなさだ。大量退職はわかっていたのに、慌てて採用を増やしている。教員の仕事の大変さばかりが最近強調される一方で民間の就職が好調で、学生が魅力を感じなくなってもいる。今国会で教員免許の更新制導入が決まったので、先生になるかどうか悩む学生はますます増えるだろう。もっと教育への予算を増やして、ゆとりとやりがいの持てる教員制度にするべきだ。
by miya-neta | 2007-07-06 19:45 | 教 育